英会話上達のヒント

「it」のさまざまな意味と使い方


「形式主語構文」と「強調構文」

 

英語の代名詞の「it」にはさまざまな使い方があります。その中から今回は、「形式主語構文」と「強調構文」について学んでいきたいと思います。

 

「形式主語構文」の基本

「it」を訳す時、よく知られているのは「それ」という意味です。この場合の「it」は、その前の文の中の何かを指すのが基本的な使い方です。

 

I have a bag. It is very expensive.

(私はバッグを持っています。それはとても高価です。)

 

この中の「It」(それ)は、「a bag」を指しています。

 

ところが、これとは違い、前の文の中の何かを指すのではなく、後ろに出てくるものの「代理」としてとりあえず文頭に置く「It」があります。

 

It is important to walk every day.

 

これは、「毎日歩くのは大事です」という意味の文です。

 

最初の「It」は「それ」ではなく、後ろに出てくる「to不定詞」のフレーズ「to walk every day(毎日歩くこと)」の代理として書いてあるだけです。

 

もし書き換えるならば、

 

To walk every day is important.

(毎日歩くことは大事です。)

 

となります。

 

「To walk every day(毎日歩くこと)」は「to不定詞」の名詞的用法です。

 

このように、本来は主語になる部分を後ろに置いて、その代わりに「It」を代理の主語としてまず書く文を「形式主語構文」といいます。

形式主語構文は主語がとても長い場合によく使われます。英語は基本的に頭の部分が長くなることを嫌います。長い主語を書く代わりにいったん「It」という形式主語を出しておいて、最後の方で本当の中身(本当の主語)を出す、というのが形式主語構文です。

 

It is important to walk every day.

 

の「It」は「形式主語」であり、実際には「to walk every day(毎日歩くこと)」という「to不定詞」の部分を指しています。この文を訳す場合は、「It」は「それ」とは訳しません。訳には出てこないことになります。

 

別の例を挙げてみましょう。

 

It is easy to climb the mountain.

 

この意味は「その山に登るのは簡単だ」です。「It」は「to climb the mountain(その山に登ること)」を指しており、「It」自体は「それ」とは訳しません。

 

「to不定詞」ではなく、「that」を使った形式主語構文

形式主語構文には、「to不定詞」ではなく「that」を使ったものもあります。

この場合、「that」の後には文が来ます。

 

It is important that you walk every day.

(あなたが毎日歩くことは大事です。)

 

この「It」は「that」以下の部分、すなわち「that you walk every day(あなたが毎日歩くこと)」を指しており、「It」自体には意味がありません。

 

もし書き換えるならば、

 

That you walk every day is important.

(あなたが毎日歩くことは大事です。)

 

と書くこともできます。

 

「That you walk every day」の部分は「あなたが毎日歩くこと」です。

 

このように「that +文」で、「〜すること」という意味を表すことができます。

 

なお、このような「that +文」の部分を「that節」と呼びます。

 

「-ing」を使った形式主語構文

「to不定詞」「that節」に加え、「形式主語構文」では「~ing」(動名詞)で始まるフレーズも使えます。

 

It is no use crying over spilt milk.

(こぼれたミルクのことをなげいてもしょうがない。)

 

この文の最初の「It」は「それ」ではなく、後ろの「crying over spilt milk(こぼれたミルクについてなげくこと)」の代理をしている「形式主語」です。

これは、

 

Crying over spilt milk is no use.

(こぼれたミルクのことをなげいてもしょうがない。)

 

と書くこともできます。動名詞を使った「Crying over spilt milk」(こぼれたミルクのことをなげくこと)の部分が主語です。

 

別の例を見てみましょう。

 

It is a lot of fun talking to you.

(あなたとお話しするのはとても楽しいです。)

 

また、これらは、「to不定詞」を使った形式主語構文に書き換えることもできます(すべてではありませんよ)。

 

It is a lot of fun talking to you.

It is a lot of fun to talk to you.

 

wh語を使った形式主語構文

「to不定詞」「that節」「~ing」(動名詞)に加え、「形式主語構文」では「wh語」で始まるフレーズも使えます。

 

It does not matter who decided to call off the meeting.

(誰が会議を中止にしたかは問題ではありません。)

 

この文の「It」は「それ」ではありません。「who decided to call off the meeting」(誰が会議を中止にしたか)の部分の代理をしています。

 

この文は、

 

Who decided to call off the meeting does not matter.

(誰が会議を中止にしたかは問題ではありません。)

 

と書き換えることもできます。

 

It is not clear when he studied French.

(いつ彼がフランス語を勉強したのかは定かではありません。)

 

強調構文の基本

形式主語構文と見た目がちょっと似ていますが、使い方や意味が異なるのが「強調構文」です。

強調構文は、「It is (was)」の次に強調したいものをもってきて、その後に「that」もしくは「who」「which」「when」「where」などの「wh語」が続きます。

 

形式主語構文と同じく、先頭の「It」は「それ」とは訳しません。

 

強調構文は「〜なのは○○だ!」というように「○○だ!」を特に強調したい時に使う表現です。

 

It’s George that destroyed the chair.

(その椅子を壊したのはジョージです。)

 

人を強調したい場合は「that」の代わりに「who」を使うこともできます。

 

It’s George who destroyed the chair.

(その椅子を壊したのはジョージです。)

 

上の例文を普通の文で書くなら、「George destroyed the chair.」(ジョージはその椅子を壊した)ですね。でも、ここで「George」を強調したい場合に、上の例文のような強調構文をわざわざ使うわけです。

 

 

It is this car that she bought last week.

(彼女が先週買ったのはこの車です。)

 

物を強調したい場合は「that」の代わりに「which」を使うことができます。

 

It is this car which she bought last week.

(彼女が先週買ったのはこの車です。)

 

 

It was yesterday that George destroyed the chair.

(ジョージが椅子を壊したのは昨日です。)

 

時間を強調したい場合は「that」の代わりに「when」を使うことができます。

 

It was yesterday when George destroyed the chair.

(ジョージが椅子を壊したのは昨日です。)

 

 

It is this temple that we went to one year ago.

(私たちが1年前に行ったのはこのお寺です。)

 

場所を強調したい場合は「that」の代わりに「where」を使うことができます。

 

It is this temple where we went to one year ago.

(私たちが1年前に行ったのはこのお寺です。)

 

 

今回の強調構文の例では、いずれも、「It is」の後に強調したい「名詞」が来ていますが、その他の品詞が来ることがあります。これはまたあらためて別の機会に説明したいと思います。

 

 

まとめ

いかがでしたか?

「It」を使う形式主語構文と強調構文は、見た目は似ていますが、意味合いや使う目的が全く違うことがおわかりいただけたと思います。

ぜひ、使いこなしてくださいね。

 

byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。


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