「be動詞 + to不定詞」が表す6つの意味
見た感じは簡単そうに見えるのに、「あれ?これどうなっているんだっけ?」と思ってしまうような英文を見かけることがあります。
「be動詞 + to不定詞」、例えば「I am to go to the party.」といった文です。見かけはシンプルですが、実際に訳そうとするとちょっと困ってしまうのでは?
「be動詞 + to不定詞」は、「これから行われる、あるいは起こることについて述べる表現」です。
その意味によって主に以下の6種類に分けることができます。ちなみに5つに分類されることで知られていますが、辞書によっては6つに分類しているものもあり、今回は6つに分類しました。
(1)予定「〜する予定だ」
(2)義務「〜すべきである」
(3)可能・不可能「〜できる」
(4)運命「〜する運命だ」
(5)意図「〜するつもりだ」
(6)目的「〜するためのものである」
では一つずつみていきましょう。
(1)予定「〜する予定だ」
「be動詞 + to不定詞」で「予定」を表す「〜する予定である」「することになっている」「〜するはずである」という意味になります。
She is to arrive soon.
彼女はまもなく到着する予定です。
There’s to be a meeting next month.
来月会議が行われる予定だ。
The best is yet to come.
まだまだこれから。/お楽しみはこれから。
アメリカの歌手フランク・シナトラ(1915-1998)のヒット曲のタイトルにもある「The best is yet to come」は、直訳すると「最高のものはまだ来ていない」という意味になります。この意味から「まだまだこれから」「お楽しみはこれから」という意味になります。
He was to have come here yesterday.
彼は昨日ここに来る予定だったのに。
「過去に実現しなかった予定」を表したい場合、toの後に現在完了形の形である <have+動詞の過去分詞> を使います。この「to+have+動詞の過去分詞」を「完了不定詞」と言います。「〜するはずだった(のにしなかった)」「〜する予定だった(のにしなかった)」という意味合いになります。
ちなみに「He was to come here yesterday.」だと、実現したかどうかが不明になります。
(2)義務「〜すべきである」
「be動詞 + to不定詞」で「義務」を表す「〜すべきである」「〜しなければならない」という意味になります。
You are to work hard.
あなたは一生懸命働くべきだ。
She doesn’t know what’s to be done.
彼女は何をすべきかわかっていません。
They are to go home.
彼らは家に帰るべきだ。
(3)可能・不可能「〜できる」
「be動詞 + to不定詞」で「可能」を表す「〜できる」という意味になります。通常、「to + be + 過去分詞」の形の「受け身形不定詞」と共に使われます。
The key was not to be found.
鍵はどこにも見あたらなかった
Many species of animals are to be seen in the zoo.
動物園ではたくさんの種類の動物が見られる。
Not a star was to be seen in the sky.
空には星一つ見えなかった。
(4)運命「〜する運命だ」
「be動詞 + to不定詞」で「運命」を表す「〜する運命だ」「その後〜することとなる」という意味になります。be動詞は通常過去形で使われます。
She was never to return to her town.
彼女は二度と町に戻ることはなかった。
皆さんはおとぎ話を小さい頃読んだことがありますか?
その時「それから彼らはずっと幸せに暮らしましたとさ」という言葉を聞いたことがあると思います。このおとぎ話の最後の決まり文句も「be動詞 + to不定詞」で表され、「They were to live happily ever after.」という言い方になります。
(5)意図「〜するつもりだ」
「be動詞 + to不定詞」で「意図」を表す「〜するつもりだ」「〜したい」という意味になります。これは「if節」などの条件節の中で用いられることが多くあります。
If you are to succeed, study hard.
もし成功したいのなら、一生懸命勉強しなさい。
If you are to lose your weight, you have to exercise.
もし体重を落としたいのなら、運動しなければならない。
(6)目的「〜するためのものである」
「be動詞 + to不定詞」で「目的」を表す「〜するためのものである」という意味になります。
Her letter was to call a meeting.
彼女の手紙は会議を招集するためのものであった。
全然違う使い方
ここまで「be動詞 + to不定詞」が表す6つの意味を解説してきましたが、実は、見かけはまったく同じですが、文法的にはこれらと異なる使い方があります。「to不定詞」が名詞的用法(〜すること)で使われている場合で、「be動詞 + to不定詞」で単純に「〜は〜することだ」「〜は〜である」という意味を表す使い方です。
His ambition was to become a president.
彼の野望は大統領になることであった。
ここでは「to become a president」は「大統領になること」という名詞的な意味を表しています。
おわりに
皆さんもお気づきかもしれませんが、ご紹介した「be動詞 + to不定詞」の6つの意味(1)〜(6)はかなり似ています。区別しにくい部分もあります。また、一つの意味の例文として挙げた文も、文脈によっては他の意味に解釈することもできる場合もあります。つまり「be動詞 + to不定詞」を含む文の意味は、その前後の文や文章全体の文脈から判断するようにしなければなりません。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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