時間の「前後関係」の使い分け
時間や時期の前後関係を表したい場合、一般的に、「ago」「before」「earlier」は「〜前」という意味で使われ、「in」「later」「after」「afterward(s)」は「〜後」という意味で使われます。
しかし、それぞれの使い方には注意しなければなりません。いつでもどれを使ってもOKというわけではありません。今回はその違いと使い方についてお話していきます。
「〜前」など過去のことを表すagoとbeforeの違い、さらにearlierについて
「ago」「before」「earlier」は、「〜年前」などの過去のことを表します。しかし、「ago」と、「before」「earlier」では使い方が大きく異なります。
「ago」は「現在を基点にして過去の話をする時」に使いますが、一方「before」「earlier」は、「話の中に出てきた、ある時点を基点にして過去の話をする時」に使います。
・「ago」現在を基点にして過去を表す
「私は彼と6年前に会いました」という文の場合、今という「現在」を起点にして「6年前」ですので、こういう場合は「ago」を使い、「I met him six years ago.」となります。
- She called about an hour ago.
(彼女は約1時間前に電話をしました。)
・「before」「earlier」話の中に出てきた、ある時点を基点にして過去を表す
会話や文章中に出てきたある時点を起点にして、さらに過去についてのことをいう時に使います。
- I visited Broadway Oct. 10, 2021. We arrived in New York there days before.
(私は2021年10月10日にブロードウェイを訪れました。3日前にニューヨークに着いていました。)
「arrived」は「had arrived」と過去完了形にしてもOKです。
ただし「before」が数詞(時間などの数を表す言葉)を伴わない場合は漠然と「以前に」という意味を表すこともできます。現在完了形や過去完了形の文でよく使われます
- I’ve never met him before.
(私はこれまで彼に会ったことはない。) - We left the hotel yesterday. They went home a day earlier.
(私たちは昨日、ホテルを出発しました。彼らは1日早く帰りました。)
2つ目の文は1つ目の文より時間的に前のことなので、「went」は「had gone」と過去完了形にしてもOKです。
「〜後」を意味する「in」「later」「after」「afterward(s)」
・「in」現在を起点にして未来を表す
「ago」が今を起点にした過去を表すのと同様に、「in」は今を起点にした未来を表現する時に使います。意味は「〜後」です。
ただし、「ago」とは言葉の順番が違うので注意しましょう。「in」の場合は、「in」の後に「時間」や「年」などが来ます。「in + 数字」という形で「〜後」を表します。
- I’m tied up in a meeting right now. I’ll call you in 30 minutes.
(今、ミーティング中だから30分後に電話するね。) - Please come back here in two hours.
(2時間後に戻ってきてください。)
「in」というとつい「中」と考え、「〜以内に」と思ってしまうかもしれませんが、それは間違いです。「in ~」はあくまで「〜後」。もし「2時間以内に」などと言いたい場合は「within」という前置詞を使って「within two hours」と表現します。
ただし、「in」にはこのような未来の時期を表す以外の使い方もあります。例えば「in the past five years」だと「この5年間で」という、過去の時間帯を表します。こちらも併せて覚えておきましょう。
・「in」を使わないで「今から〜後に」を表す方法もある
「I’ll call you in 30 minutes.」(30分後に電話します)を「時間の長さ+from now」を使って、「I’ll call you 30 minutes from now.」とすることもできます。
・話の中に出てきた過去または未来のある時間を基準にして「その時から〜後」の「later」
「later」は話の中に出てきた、過去または未来のある時点を基準にして「その時から〜後」の意味で用います。
- We met each other in May 2021 and got married 3 days later.
(私たちは2021年5月に出会い、3日後に結婚しました。) - I’m going on a business trip to Hong Kong tomorrow. 1 week later, I’m coming back to Japan to attend my meeting.
(私は明日、香港へ出張に行きます。1週間後には、打ち合わせに出席するために日本へ戻ります。)
ただし、「See you later.」(じゃあ、また)や「I’ll do it later.」(後でやります)など数詞(時間などの数を表す言葉)を伴わない場合は、「現在を基準した」かつ漠然とした「後で」という意味で「later」を使うことができます。
・前置詞・接続詞・副詞「after」の使い分け
いずれも過去・未来のある時点を基準にします。
「〜した後に」:前置詞「after」
- After one year of working in Australia, I went back to Japan.
(オーストラリアで1年間働いた後、日本に戻りました。) - We’ll start playing soccer after class.
(授業の後、サッカーをするだろう。)
「〜した後に」:接続詞「after」
- She came back to Japan after she graduated from college in the UK.
(イギリスの大学を卒業した後、彼女は日本に戻ってきた。)
「後に」:副詞「after」
- The interview ended soon after.
(インタビューはすぐ終わった。)
・「直後に」というニュアンスをもつ副詞「afterward(s)」
アメリカ英語では「afterward」、イギリス英語では「afterwards」とよく言われますが、実際にはアメリカでも「afterwards」も使われており、どちらを使っても構わないような雰囲気になっています。
「afterward(s)」は、「直後に」というようなニュアンスを含む副詞です。
- I’m going to study English and go for a walk afterward(s).
(英語の勉強をした後、散歩に行きます。) - I am having a lunch now. I will call you afterward(s).
(今昼食中ので、昼食後折り返しかけます。)
・「before」と「after」のその他の使い方
「before」と「after」は、その直前に時間や日数・年数を置き、直後に出来事などを置くことができます。「〜の○時間後、」という意味でよく使われます。
- That happened three days before my birthday.
(私の誕生日の3日前にそれは起きた。)
上の文章は下のようにも書き換えられます。
The day was my birthday. That happened three days before.
The day was my birthday. That happened three days earlier.
- That happened three days after my birthday.
(私の誕生日の3日後にそれは起きた。)
上記の文章は以下にも書き換えられます。
The day was my birthday. That happened three days later.
まとめ
いかがでしたか?
今回は「ago」「earlier」「before」「in」「later」「after」「afterward」の使い分けや違いを説明しました。
最初は混乱するかもしれませんが、使えるとワンランク上のコミュニケーションが可能になりますので、ぜひ練習してくださいね。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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