「学校で習った英語でも実際の業務で使えるのか?」こんな漠然とした不安を抱きながら過ごしていた時期がありました。私は海外経験がゼロではないにせよ、基本的には日本の学校教育と独学で英語を学んできました。英会話教室などで外国人と交流する機会はありましたが、日本人に慣れた外国人と実務で遭遇する取引相手は別物だという印象が強かったのでしょう。大学院を修了してから海外展開しているアートギャラリーで実際に働くまで私のこの問いの答えはぼんやりとしたままでした。しかし、実際に日本人アーティストを海外の企画展にアテンドしたり、普段の業務を世界中のギャラリーや顧客相手にこなしていくうちに私の疑問は明確な確信へと変わりました。「学校で習った英語は、実際の業務で何の問題もなく使える」こうした経験を生徒の皆様にも是非、実感して欲しいと思います。
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父はサラリーマン、母は専業主婦というごく普通の中流家庭に三男として生まれる
1995年 早稲田大学第二文学部に進学
1997年 大学3年の時にアメリカのオレゴン州の大学に交換留学プログラム参加
1999年 早稲田大学卒業後に東京芸術大学大学院に進学
2005年 東京芸術大学で博士号取得
2006年小山登美夫ギャラリーで働き始める。この時、海外との取引業務全般をこなす
2008年 12回目の挑戦で英検1級合格
2012年 鎌倉にEigojuku英語塾を設立し独立を果たす
2020年 コロナ禍を切っ掛けにオンライン英語学習Eigo Chat Lab!を設立
若い頃というのは誰でも過ちを犯すものです。私も例外ではありません。良かれと思って頑なに続けた学習法が穴だらけだったりします。ここでは私の失敗談をご紹介します。
私はアメリカ軍基地がある神奈川県の横須賀市に育ったので小さい頃からアメリカを身近に感じて過ごしました。そして縁があって16歳の時に初めてアメリカにホームステイをしました。ろくに英語も話せませんでしたが、ホストファミリーの方に大変よくしていただき最高の夏の思い出となりました。これに気をよくして、「英語は使えなければ意味がない」と学校の勉強よりも英会話やビデオで海外の映画を見てリスニングの練習ばかりしていました。
そんな私の英語学習の最初の転機は、大学3年の時の交換留学です。日本とアメリアそれぞれの学生が交互にお互いの国を訪れ文化を学びあう約3ヶ月のプログラムです。事前準備として日本人同士で英語を使ってコミュニケーションをとります。私は自分の「実用英語」に自信をもっていました。しかし、ある時、隣の女子学生に「え、そんなことも知らないの?」とポツリと言われたのです。もう記憶が曖昧ですが、受験生なら誰もが知っている「文法のルール」だったことは覚えています。
そうなのです。私は英語は全て独学で、英文法よりも「英語は実技」という頭で大学受験さえも乗り切っていたのです。しかし、文法的知識不足は英作文で完全に露呈しました。留学準備講座での英文エッセイでネイティブ講師のコメントに I can’t follow. (ついていけない=「言いたいことが分からない」)と何か所も赤ペンがありました。アメリカへ渡ってからの英語クラスを決めるプレイスメントテストは一番下のクラスにいれられてしまいました。こうした経験から文法の大切さを知るのです。
私が本当の意味で英文法を学びだしたのは社会に出て英語講師として教え始めてからです。それ以前にも大学院の修士論文はすべて英語で書きましたし、それなりに英語力は上げていました。しかし体系的な英文法の知識は整理できていないままだったのです。そして、ロイヤル英文法という文法書を何度も紐解きながら「文法をもっと早く知っていたら、自分の英語力は全然違っていたはずだ」と思ったものです。遠回りから得たものもありますが、基礎を学ぶことは本当に大切だと痛感しています。