“meme”という英語が意味するもの
こんにちは。
最近、meme(ミーム) という英語を海外のサイトで目にすることが多くなりました。
memeとは模倣によって人から人へと伝えられる社会的・文化的情報という意味だそうです。英国オックスフォード大学の動物行動学者リチャード・ドーキンス(Richard Dawkins)が1976年に著した『利己的な遺伝子』(The Selfish Gene) で提唱した言葉で、ギリシャ語のmimeme(模倣する)とgene(遺伝子)掛け合わせているそうです。
英語での定義は概ね、以下のようになっています。
A meme is an idea, behavior, or style that spreads by means of imitation from person to person within a culture and often carries symbolic meaning representing a particular phenomenon or theme.
memeの定義は、意外に複雑ですね。
余談ですが、同じくギリシャ語のmimemeから派生した英語にmimicがありますね。生物学における「擬態」で、たとえばインドネシア周辺の海にはmimic octopus(ミミック オクトパス)という擬態能力を持ったタコが生息しています。
<internet memeという英語>
本題に戻ります。さて、よく目にする英語が、Internet memeです。インターネットを通じて人から人へと、模倣として拡がって行く行動・コンセプト・メディア(Wikipedia)という意味です。
英語では、以下のように定義されています。
A meme is a piece of media, such as an image, video, hashtag, or hyperlink, that spreads through the Internet and goes viral.
memeが現代社会ではインターネット/SNS上で非常に盛んであるというのは、なるほどそうだろうなと納得できます。インスタグラムからYouTubeまで、今やSNSの影響力は無視できません。SNS、恐るべし!
<meme stocks という英語>
今、筆者が興味深くウォッチしている英語の言葉がmeme stocksです。直訳すると模倣株式となってしまいますが、日経新聞で見た「SNSで動く株」という言葉が一番しっくりくる気がします。
米国株式市場では、今まで株式投資をやったことがない人たちがSNS上の情報をきっかけに個人投資家として株式市場に“参戦”し、SNS発の情報で動く株が少なくないそうです。
<meme stockに関する英語の記事>
たとえば、6月10日付のYahoo Financeには以下のような英語の記事が載っています(一部を抜粋、筆者抄訳)
Meme stock rally broadens
Online traders have found new targets during this week’s “meme stock” resurgence.
Geo Group (GEO), a company that owns and manages private prisons, saw shares soar by as much as 73% intraday on Wednesday for the stock’s biggest one-day gain on record. Shares pared some advances after reaching as high as $11.00 apiece and closed 38% higher, or at $8.80 per share.
(meme株の上昇拡大)
(オンライントレーダーは、今週のミーム株の再上昇相場で新たな“ターゲット”を見つけたようだ。米国の不動産投資信託(REIT)で民営刑務所の所有・運営も行うGEOグループの株価は9日、一日の上昇幅としては過去最高となる、前日比73%の上昇となった。同社株価は一時11ドルまで上昇した後やや下げて、終値は前日比38%上昇の8.8ドルとなった)
73%上昇とは、これは十分に「過熱」状態ですね。このように、企業の財務体質や実力とは関係ないところで株価が乱高下しては、当事者企業はもちろん、“プロ”の投資家やアナリスト諸氏など、苦労されることでしょう。
この先、Internet memes controls financial market(ネットmemeが金融市場を動かす)状況が加速していくのでしょうか?
もっとも、meme stocksを売買する個人投資家たちは、自分たちの投資行動に悪ふざけの要素があるのは重々承知しているようで、過熱したmeme stocksを揶揄したstonkなる新しい言葉も生まれたそうです。
正に言葉は生き物ですね。
By Acco
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ライターAccoのプロフィール
英国で経営学および開発経済学修士号取得後、ロンドンのシティ(金融街)で勤務。その後帰国し外国通信社で金融経済記者として報道に携わる。米系格付け機関、証券会社調査部で金融・経済を中心にライティング、エディティング、翻訳に従事。
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