日本語の「お金がかかる」には複数の意味が…
日本語には「かかる」という表現があります。普段なにげなく使っている言葉の一つですが、実はいろいろな意味で、多様な状況で使われています。
例えば、「罠にかかる」「お金がかかる」「病気にかかる」「気にかかる」などなど。これらの「かかる」は、同じ「かかる」でもかなり意味が違いますよね。
こうした「かかる」を英語ではどう言えばいいのか。今回は、日本語の「お金がかかる」を取り上げ、英語でどう表現するのが適切か、見ていきたいと思います。
日本語の「お金がかかる」にも、よく考えると複数の意味があります。「有料である」という意味と、「多くのお金が必要である」という意味です。
ですので、「お金がかかる」を英語で表現しようとする時は、どちらの意味なのかをまず考えなければなりません。
そしてさらに、それぞれの意味において、英語では多種類の表現があります。
それでは順番に見ていきましょう。
「有料である」という意味
タダではなく「有料である」という意味の「お金がかかる」を表現したい場合、以下のような言い方が考えられます。
It costs money. / It takes money. / It needs money.
(それは、お金がかかります。)
I want to do something, but it needs money to do anything.
(何かやりたいんですが、何をするにもお金がかかります。)
Do you charge for delivery?
(配達にはお金がかかりますか?)
「有料」の反対の「無料」の場合は、以下のように表現することができます。
It’s free.
(それはお金がかかりません=それは無料です。)
These apples are free of charge.
(これらのりんごにはお金がかかりません=これらのりんごは無料です。)
It doesn’t cost money.
(それは、お金がかかりません。)
「多くのお金が必要」という意味
次に、「ただ有料というだけでなく、多くのお金が必要である」という意味の「お金がかかる」の英語表現を紹介しましょう。
It costs a lot.
(それはお金がかかる。)
It costs too much.
(それはお金がかかりすぎる。)
Buying your own house needs a lot of money.
(家を買うにはお金がかかる。)
I hope to have three children. But raising a child takes a lot of money.
(3人は子どもがほしい。でも子育てにはお金がかかる。)
I want to move to Tokyo. But it takes lots of money to live in a big city.
(東京に引っ越したい。でも都会に住むにはお金がかかるなあ。)
また、形容詞の「costly(高価な、高くつく)」「expensive(高価な、高い)」などを使って表すこともできます。
What!? It’s too costly.
(なんですって!? それは高すぎますよ。)
Traveling abroad is too expensive.
(海外旅行はとてもお金がかかります。)
「多くのお金が必要」を意味する慣用的な表現もあります。
以下、2つほどご紹介したいと思います。
・cost an arm and a leg
直訳すると「腕1本と脚1本分の費用がかかる」となり、これが「高くつく」という意味になります。
Look at this watch! It costs an arm and a leg!
(この時計を見てくれよ。お金がかかるなあ。)
・dig into one’s purse
直訳すると「〜の財布の中を掘る」という意味になります。そこから転じて「お金がかかる」というニュアンスになります。
I had dinner at that restaurant last evening, and it dug into my purse.
(昨夜、あそこのレストランで食事をしましたが、お金がかかりました。)
「お金」に関連することわざ
最後に覚えておくと便利な「お金」に関連することわざを紹介しましょう。
Penny wise and pound foolish.
(安物買いの銭失い。)
A penny saved is a penny earned.
(塵も積もれば山となる。)
Soon gotten, soon spent.
(悪銭身に付かず。)
Time is money.
(時は金なり。)
Do not cast pearls before swine.
(豚に真珠、猫に小判。)
Money is a great traveler in the world.
(金は天下の回り物。)
まとめ
いかがでしたか?
今回は「お金がかかる」の英語表現と、関連するさまざまなフレーズを解説しました。
日本語を英語にする場合、まずはその日本語の意味をよく考えるようにするといいと思います。
日本語から英語へただ機械的に単語を置き換えることはできません。しっかり意味を伝えるにはどう表現すべきかということをいつも念頭に置くようにしましょう。
それでは次回もお楽しみに。
byあいんちゅ
(同じライターの別の記事を読む)
ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
毎日一問届きます。登録するとメールボックスに確認メールが届くのでクリックしてください。登録完了翌日から配信スタートです。