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「雲隠れする」「雲行きが怪しい」など、「雲」を含んだ日本語を英語に直すと?

日本語独特の表現を英語にしよう!

 

日本語には「雲」を含んだ慣用表現がいろいろとあります。

例えば「雲隠れする」「雲行きが怪しい」「雲泥の差」など。

 

しかし、これらの日本語を英語にしようとすると、「?」となってしまうことも多いのではないでしょうか。

 

今回は、「雲」を含む、日本語独特の表現を英語ではどのように言えばいいのか、例を挙げながら説明したいと思います。

今回取り上げるのは、「雲隠れする」「雲行きが怪しい」「雲泥の差」「雲をつかむような」の4つです。

雲隠れする

国語辞典を見ると、「雲隠れする」の項目には、①雲の中に月が隠れてしまうこと、②人が急に姿を隠してしまうこと、行方をくらますこと、③源氏物語の巻名、という3つの説明が書いてありました。

ここでは2つ目の「人が急に姿を隠してしまうこと、行方をくらますこと」という意味で使われる場合にどう英語で表現するのがいいかを見てみましょう。

 

「雲隠れする」を英語にする場合、「姿をくらます」という意味の「disappear」や、「逃げる」という意味の「escape」を使って表現する方法が考えられます。

 

They disappeared into the town.

(彼らは街中に雲隠れした。)

 

He disappeared without a trace.

(彼は雲隠れしてしまった。)

 

「without a trace」は、「跡形もなく」という意味です。これを使って、上の例のように「disappear」を強調することができます。

 

The suspect escaped.

(その容疑者は雲隠れした。)

 

雲行きが怪しい

「雲行きが怪しい」は、物事が悪い方向に行きそうである、形勢が悪くなりそうだ、といった意味ですね。

「さらに悪くなる」「悪化する」という意味の「get worse」を使って、以下のように表現することができます。

 

The situation is getting worse.

(雲行きが怪しくなってきた。)

 

Things are getting worse.

(雲行きが怪しくなってきた。)

 

「thing」は複数形の「things」にすることで、「全体的な状況」という意味で使えます。

 

「〜のようだ」というニュアンスを出したい場合は「seem」を使うといいでしょう。

 

The situation seems to be getting worse.

(なんだか雲行きが怪しくなってきているようだ。)

 

また、「take a dark turn」というイディオムを使っても「雲行きが怪しい」というニュアンスを出せます。

「take a dark turn」は直訳すると「暗い方向へ曲がる」ですが、ここから、「雲行きが怪しくなる」という意味を表すことができます。

 

The situation has taken a dark turn.

(雲行きが怪しくなった。)

 

さて、「雲行きが怪しい」には、「物事が悪い方向に行く」という以外に、文字通り「悪天候になりそう」という意味もあります。

その場合は以下のような英文が考えられます。

 

The weather would break.

(雲行きが怪しい。=天気が崩れる。)

 

It looks like rain.

(雲行きが怪しい。=雨が降りそう。)

 

雲泥の差

「天と地ほどの隔たり」「大変な違い」という意味の「雲泥の差」ですが、ここではそれに相当する英語の慣用表現を紹介しましょう。

 

主にイギリス英語で使われる「chalk and cheese」という表現があります。直訳すると「チョークとチーズ」ですが、チョークとチーズは似て非なるものということで、これがすなわち「雲泥の差」ということですね。「月とスッポン」と日本語訳される場合もあります。

 

Your watch and my watch are as different as chalk and cheese.

(あなたの時計と私の時計には雲泥の差がある。)

 

「as different as」は「as like as」としてもOKです。

また、「chalk and cheese」の部分が「day and night」や「light and darkness」などに置き換えられる場合があります。

 

雲をつかむような

物事が漠然としていて、とらえどころがないような場合に、「雲をつかむような〜」と言ったりします。これを英語では、「visionary」「fantastic」「unfeasible」といった言葉を使って表現できます。

それぞれの意味は以下の通りです。

 

visionary:非現実的な、実行不可能な、実際的でない

fantastic:計画・考えなどが突拍子もない、現実ばなれした、荒唐無稽な

unfeasible:うまくいきそうにない、実現困難な

 

What our president says is always visionary.

(社長の発言はいつも雲をつかむようだ。)

 

I think it is a fantastic story.

(雲をつかむような話だと思う。)

 

He says every time it is an infeasible plan.

(彼は毎回、それは雲をつかむような計画だと言っています。)

 

まとめ

今回は、「雲」を使った日本語の慣用表現である「雲隠れする」「雲行きが怪しい」「雲泥の差」「雲をつかむような」を英語ではどう言えばいいかを解説しました。

慣用表現はそのまま直訳できないものが多いですが、どういう風に英語で説明すればいいかを考えたり、また、英語における同じような意味の慣用表現を探したりするのも面白いですよね。

自分の好きな日本語の慣用表現を英語にしてみるのも、英語力アップのための楽しいトレーニングになると思います。

 

byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。