「just」の使い方
日常的な会話の中でもよく使われる「just」。いろいろな場面で使われ、またさまざまな意味がありますが、どんな時にどのように使うのか、あらためて考えるとけっこう難しい言葉でもあります。今回はこの「just」を取り上げ、文章の中でどの位置に置くとどのような意味になるのか、説明していきたいと思います。
なお「just」はいろいろな品詞になる単語ですが、今回は「副詞」と「形容詞」として使われるケースについて取り上げます。
副詞の「just」を入れる場合の基本位置
副詞の「just」には、日本語にすると「ただ〜だけ」「ちょうど〜したところ」「まさに〜したところ」などの意味があります。どの日本語を当てはめるのが適切かは、文全体を読んで判断しなければなりません。
こうした意味で使われる副詞の「just」は、「主語」の後ろ、「動詞」の前に置くのが一般的です。
では例を挙げて見てみましょう。
I just wanted to say, “I love you!”
(ただ「愛している」って言いたかったんだ。)
I just called to say “goodbye.”
「さようなら」ってただ言うために電話したんだ。
I just ate breakfast.
(朝食を食べたばかりです。)
I just finished my green tea.
(今、お茶を飲んだところです。)
The cafe just had a good atmosphere. Coffee is pretty disgusting.
(カフェは雰囲気がいいだけだった。コーヒーはおいしくない。)
Just do it.
(とにかくそれをやりなさい。)
形容詞の前に置いて「ただそれだけ」という意味
副詞の「just」は形容詞の前に置く場合もあります。この場合、形容詞の意味に「ただそれだけ」といったニュアンスを付け加える役割を担うことが多いです。
He is just smart. That’s all.
(彼は頭がいいだけ。それだけ。)
上の例文では否定的あるいは辛辣なニュアンスを出すために「just」が使われていますが、それは、使われる形容詞によって変わってきます。
Wow! There are so many flowers. Just beautiful.
ワオ!たくさんの花がある。ただただ美しい。
この場合は、「beautiful(美しい)」を肯定的に強調するために「just」が使われています。
以下も、強調的な意味合いで使われる「just」です。
She will be just fine.
(彼女はきっと大丈夫だよ。)
A:Are you free tonight?
B:Just free!
A:今晩空いている?
B:暇だよ!
発音の強調の仕方で意味が変わる場合も
会話では、「just」の発音の強調の仕方で意味が変わる場合もあります。
例えば「This is just delicious.」という文の場合、上で解説したように、けなしている場合もあればほめている場合もあり、これだけだとどちらのニュアンスかがわかりません。書いてある文章では前後を読んで判断しますが、会話においては、上ずった声で「ジャースト」などと伸ばして発音をすると、「ただおいしいだけ」と否定的な意味になります。
しかし、「just」と「delicious」を両方強調して発音すると、「すごくおいしい」という肯定的な意味になります。
節や句の前に置かれる「just」
「just」は、前置詞句や従属節の前に来ることもあります。
They arrived just in time for dinner.
(彼らは夕食にちょうど間に合うように到着しました。)
He came to my home just when I was watching the program.
(彼は、私がちょうどその番組を見ている時にやってきました。)

名詞の前に置いて「ただの〜」「単なる〜」という意味
「just」は形容詞としても使われます。名詞の前に「just」が置かれると「ただの〜」「単なる〜」といった意味になります。
They are just friends.
(彼らはただの友達だよ。)
後ろに来る名詞が単数の場合は、「just」は「a」の前に起きます。
Don’t worry. She is just a friend.
(心配しないで。彼女はただの友達だよ。)
Wow, I broke the vase! Calm down! This is just a bad dream! This is just a bad dream!
(しまった、花瓶を壊しちゃった! 落ち着け! これはただの悪い夢だ、これはただの悪い夢だ!)
She is not just an actor. She is also a talented singer.
(彼女は単なる役者ではない。彼女は才能ある歌手でもある。)
Ooos! It was surprising. It’s just a kitty.
(わお、驚いた。ただの子ネコじゃん。)
その他、「just」を使った慣用的表現
以下、「just」を使ったいくつかの慣用的表現をご紹介しましょう。
「just」が否定語の直前に置かれると「どう考えても」といった日本語に解釈すると適切になることがあります。強調的表現の一種です。
This just isn’t fair.
(どう考えてもこれは不公平です。)
くだけた調子で「そんなのありかよ。」というようなニュアンスです。
疑問詞の前に置いて、「それだけは知りたい」という時にも使います。
この場合、話し手は、いらだちや困惑などを含んでいることが多いです。
Just what is it?
(一体それは何なの?)
何もしないのに偶発的に物事が起きた時などに、「It just happened.(よくわからない、でもそういうことになった。)」を、よく使います。
I didn’t mean it. It just happened.
(わざとじゃないのよ。たまたまそうなっただけなの。)
まとめ
いかがでしたか?
「just」のさまざまな意味や、置かれる場所のルールについて、おわかりいただけましたでしょうか。
「just」を使った表現はまだまだいろいろありますが、今回はこの辺で。みなさんも辞書などで調べてみてください。
そして何度もこのブログでお伝えしていますが、ぜひとも100回ぐらい、例文を音読してみてください。
意識しないレベルで口から出てくるようになったら、身についた証拠です。
私も今から音読します!
byあいんちゅ
(同じライターの別の記事を読む)
ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
毎日一問365日TOEIC Part5形式の問題と解説が届きます。英語学習の習慣形成にお役立てください。
