「〜の〜」は「of」とは限らない
日本語で「〜の〜」というフレーズがあってこれを英語にしようという時、反射的に「of」を使っていませんか? でも、それでは間違いの場合も少なくありません。日本語では「〜の〜」であっても、英語だと「of」ではなく、ほかの前置詞を使った方がいい場合が多くあるのです。今回は、そんな、「of」を使わない方がいい場合の「〜の〜」について、解説していきたいと思います。
もっとも、「正しい前置詞がどれか」は実はとても難しい問題で、どれか一つだけが絶対に正解ということはあまりありません。言葉というのは多数決的な側面があり、たとえ昔は間違いとされていたものでも多くの人が使うようになれば次第に正解になっていきます。正誤は実際の使われ方の統計によるということです。この点を頭に置いておいてください。
また、前置詞の違いによりフレーズの意味が違ってくる場合も多いです。逆に言うと、「こういう意味の場合はofでもいいが、こういう意味の場合はofじゃない方がいい」というケースもあります。今回は一つひとつを詳細には扱っていませんので、みなさん、お使いの辞書でよく確認してみてください。
「of」じゃなくて「to」
日本語では「〜の〜」であっても、英語では「of」ではなく「to」を使う場合です。
・subscription to:〜の定期購読
Subscription to this newsletter is free.
(このニュースレターの定期購読は無料です。)
・key to:〜の鍵
Yesterday I gave my friend a spare key to my car.
(昨日、私は友人に私の車のスペアーキーを渡した。)
・exception to:〜の例外
It is an exception to the rule.
(それはその規則の例外である。)
・home to:〜の生息地、本場
New Orleans is home to jazz.
(ニューオーリンズはジャズのメッカです。)
・answer to:〜の答え
This is the answer to the practice question.
(これが練習問題の解答です。)
・secretary to:〜の秘書
He is a new secretary to the professor.
(彼は教授の新しい秘書です。)
・contributor to:〜の要因
It is one of the contributors to global warming.
(それは地球温暖化の要因の一つです。)

「of」じゃなくて「in」
日本語では「〜の〜」であっても、英語では「of」ではなく「in」を使う場合です。
・change in:〜の変更
I feel change in weather very much.
(天候の変化が激しいよね。)
・increase in:〜の増加
The increase in traffic accidents is terrible.
(交通事故の増加がひどい。)
・decrease in:〜の減少
The decrease in consumption is remarkable.
(消費量の減少が顕著である。)
・fluctuation in:〜の変動
Sales are strong despite fluctuation in customer demand.
(顧客需要の変動にも関わらず、売上は順調である。)
・variation in:〜の変化・変異
I study the variation in the human genome.
(私はヒトゲノムの変異の研究をしています。)
「of」じゃなくて「on」
日本語では「〜の〜」であっても、英語では「of」ではなく「on」を使う場合です。
・information on:〜の情報
The assignment should include information on the countries’ history and culture.
(宿題には、それらの国々の歴史や文化についての情報も盛り込まなければなりません。)
・authority on:〜の大家
He was an authority on Japanese calligraphy.
(彼は書道の大家であった。)
・expert on:〜の専門家、大家
She is an expert on American politics.
(彼女はアメリカ政治学の専門家です。)
・research on:〜の研究
He will conduct his research on this theme.
(彼はこのテーマで研究を行う。)
・ban on:〜の禁止
We support a ban on animal testing for cosmetics.
(私たちは化粧品用の動物実験の禁止に賛同します。)
「of」じゃなくて「for」
日本語では「〜の〜」であっても、英語では「of」ではなく「for」を使う場合です。
・demand for:〜の需要
Demand for natural gas has continued to expand.
(天然ガスの需要が拡大を続けている。)
・trigger for:〜の引き金
That is a trigger for heart attacks.
(そのことが心臓発作の引き金になる。)
・talent for:〜の才能
She has a talent for music.
(彼女は音楽の才能がある。)
・aptitude for:〜の才能
You have an aptitude for chess.
(あなたはチェスの素質があるね。)
・blueprint for:〜の青写真
We have to make a blueprint for economic reform by next week.
(私たちは来週までに経済改革の青写真を作らなければならない。)
まとめ
いかがでしたか?
日本語で「〜の〜」であっても、「of」とは違う前置詞を使うのが一般的な例を解説しました。今回は一部に過ぎません。まだまだたくさんあります。皆さんも、「〜の〜」を見たら「of」とは思わずに、辞書で一つひとつ調べるようにしましょう。最初に述べましたように、前置詞が変わることによって意味が変わるフレーズもたくさんあります。
また、どの前置詞を使えばいいかは、それぞれの前置詞が持つイメージからある程度は推測されますが、理屈で考えても行き詰まることがあります。やっぱりコツコツと、丁寧に調べて覚えるようにした方がいいと思います。
そしてぜひ日常英会話やライティングにお役立てくださいね。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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