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英語学習:なぜ続けられない?ー自己実現欲求の大切さ

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モチベーションと自己実現

 

以前からお伝えしているように、語学は体得するものです。

一夜漬けではなくできれば毎日、それが無理なら数日おきに繰り返し練習しなければなりません。そして、それを一年、二年と続けることが不可欠です。

 

これができず何度も挫折している人も少なくないのでは?

 

では、英語を日々の日課にするにはどうするのが良いのでしょう?

 

それは、英語に触れるのが嫌なことであってはならないということです。

たまには嫌でも頑張るのはいいことですが、定期的に行うとなると嫌だと続きません。

では、なぜ嫌なのかを検証してみましょう。

 

モチベーション

アメリカの心理学者マズロー(Marslow 1908-1970)の欲求階層説によると、人間の欲求は「何かが足りない」という気持ちから生じ、大きく分けて以下の5つのレベルで構成されています。

 

  1. 自己実現欲求 (Self-actualization)
  2. 承認欲求 (Esteem)
  3. 親和欲求 (Love/Belonging)
  4. 安全欲求 (Safety)
  5. 生理的欲求 (Physiological)

 

Marslow’s Hierarchy of Needs

https://www.verywellmind.com/what-is-maslows-hierarchy-of-needs-4136760

 

Abraham Harold Maslow

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%8F%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%BA%E3%83%AD%E3%83%BC

 

貴方が英語を習得したいのは、どの欲求からですか?

これは学習を続けるための大切なポイントです。

 

では、この階層を下から順番に少し詳しく見ていきます。

生理的欲求

「生理的欲求」は生きていく上で生理的に必要な物を欲する気持ちです。英語がこれに当てはまるケースは多分あまり今のところありません。

安全欲求

「安全欲求」は安全と安心を求める気持ちから生じるもので、「金銭」や「健康」がまず頭に浮かびます。

親和欲求

「親和欲求」は人と交わりたいという欲求です。友達、家族、恋人、近所の人たち、または、ネット上の仲間や旅先で出会った人たちと交流したいという気持ちで、英語を習得したい人の動機付けとしてよくあるものかもしれません。

承認欲求

「承認欲求」は、人に認められたい、または、世の中に貢献したい気持ちです。平たく言うと褒められたいという思いです。

自己実現欲求

そして、一番上の「自己実現欲求」は、自分の持っている力や才能を発揮したいという欲求、または、自分が好きなことを通して自分を最大限に成長させたいという思いのことです。

 

もちろん、人の心はそう単純にはできていないので、いくつかの欲求が組み合わさって英語が上手くなりたいと思うのが普通です。

 

「会社で昇進するため」が動機なら、承認欲求とともに安全欲求の一部である金銭的余裕が欲しいというのも含まれるでしょう。また、「海外で暮らしていて英語力を高めたい」と思うのなら、親和的欲求の「周りの人たちと交流するため」でもあるし、安全欲求に含まれるであろう「病気のときにお医者さんとちゃんと喋れるようになるため」でもあると言えます。

自己実現の大切さ

ここからは色々な方の英語学習を拝察してきた私個人の見解です。

少し辛口になるかもしれませんが、マズローの階層モデルを参考にお話しします。

 

まず、最初にお伝えしたいのは「自己実現欲求」に勝るモチベーションはないということです。モチベーションが「海外旅行に行って現地の人と深い話がしたい」に留まる人は、英語を真に習得する可能性はおそらくかなり低いです。

 

でも、例えば深い話をして実際に海外の事情を探り、その知識を元に新たな商品を考案したいという欲求がある人なら、英語学習に成功するでしょう。その人にとって、新たな商品を作り出すというクリエイティブな作業こそが自己実現だからです。

 

別の例を挙げてみましょう。上にも述べた「会社で昇進するため」だけが動機の人も中々続けられません。もちろん、英語ができないと何一つ仕事に就けないというような極端な状況なら、生きていくための「生理的欲求」と「安全欲求」で英語を必死で学習するかもしれません。でも、幸い今のところ日本ではそういうことはありません。英語ができなくてもできる仕事がいっぱいあります。

 

なので、ある程度収入が既に確保されている、または、英語ができなくても他に仕事がある状況では、「仕事のため」そしてそれに伴う「金銭的報酬のため」だけでは学習を続けるに足るモチベーションにはなりません。

 

意外かもしれませんが、実は、単なる金銭的報酬は思われているほどの動機付けにはならないのです。この点については、TED.comの以下のプレゼンをぜひご覧ください。日本語の字幕でも観られます。

 

The puzzle of motivation (Dan Pink)

https://www.ted.com/talks/dan_pink_the_puzzle_of_motivation/transcript

 

 

仕事やお金のためだけでは英語の学習は続け難いですが、英語によって得た仕事や職務が自己実現に繋がることなら頑張ることができます。例えば、人を統率するのに長けている人は、それが発揮できるポジションに就くことで自己実現ができるし、適材適所の見極めに優れている人なら英語が要求される人事課で、全世界から人材を集めることこそが自己実現となるでしょう。

 

貴方は何を通して自己実現したいですか?

 

こう尋ねられると難しいと感じるかもしれません。でも、自分に何が向いているかは、誰でも心の奥深くで分かっています。

 

それをしている時にワクワクできることが貴方に向いていることです。

 

ここまで読んで、自分がワクワクすることは英語と全然関係ない、だから英語を習得するのはやっぱり無理なんだと、ちょっとガッカリしている皆さん、そんなことはありません。

 

英語学習そのものをワクワクするものにすればいいのです。

 

その方法については、この次にお話しします。

 

 

By Portland
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執筆担当 阿部担当講師  阿部 毅(TOEIC985点)