英語で言いたい!「歩み寄る」
日本語の「歩み寄る」。皆さんも日頃からよく使うと思います。
ではこれは、英語ではどう言えばいいのでしょうか。
まず、日本語の「歩み寄る」には、主に以下の2つの意味があります。
①文字通り、「相手や物に歩いて近づいて行く」という意味。
②「互いに譲り合い、双方の主張や条件を一致する方向に近づける」という意味。
意味が2つあるので、英語にする時はどちらの「歩み寄る」か考えなくてはいけません。
今回は「歩み寄る」を英語で表す場合の表現を紹介したいと思います。
①「相手や物に歩いて近づいて行く」という意味
「歩み寄る」の1つ目の意味は、まさに文字通り、「相手や物に歩いて近づいて行く」です。
これを英語にする場合、以下のようなフレーズが使えます。
come closer
「come closer」は「より近くに来る」ということ。つまり、「歩み寄る」というニュアンスですね。
We came closer to each other.
私達は互いに近づいた。=私達は互いに歩み寄った。
「come closer」の「closer」を、「〜の近くに」「〜に接近して」という意味の「near」の比較級「nearer」にして、「come nearer」でも「近くに来る」すなわち「歩み寄る」という意味になります。
I motioned them to come nearer.
私は彼らにもっと近くに来るよう合図した。=私は彼らにもっと歩み寄るように合図しました。
walk up
「walk up」には「階段などを歩いて上る」という意味のほかに、「歩み寄る」という意味があります。「to」を伴い、「walk up to〜」で「〜に歩み寄る」となります。この場合の「up」には、何かに近づくというニュアンスがあります。
He rose to his feet and walk up to her.
彼は立ち上がって彼女の方へ歩み寄った。
「walk straight up」「walk right up」というように「straight」や「right」を入れると、「ためらわずにつかつかと歩み寄る」といったニュアンスになります。
He walked right up to the chairperson.
彼は議長につかつかと歩み寄った。
ちなみに「walk-up」と「ハイフン(-)」がつくと、「前宣伝」「エレベーターのない」「建物の中に入らずに外から利用できる」「事前予約不要の」「事前予約なしの」といった意味になりますので、注意しましょう。
step up
「step up」も「歩み寄る」という意味になります。この「up」もやはり何かに近づくという意味合いを持っています。「to」を伴い、「step up to〜」で「〜に歩み寄る」です。
「step up」も前述の「walk straight up」「walk right up」と同じように、「ためらわずにつかつかと進み出る」といったニュアンスがあります。
She stepped up to him.
彼女は彼につかつかと歩み寄った。
②「互いに譲り合い、双方の主張や条件を一致する方向に近づける」という意味
「歩み寄る」の2つ目の意味は、「互いに譲り合い、双方の主張や条件を一致する方向に近づける」です。
例えば、友達と喧嘩や言い争いをした時、仲直りする際に「お互い歩み寄った」などと言います。
これは日本語では「妥協する」や「譲歩する」という言葉に置き換えることができます。
英語では、「妥協する」「妥協」には「compromise」、「譲歩」には「concession」といった語があります。
compromise
「comprpmise」には「名詞」と「動詞」があります。
名詞として使われる場合は、「妥協案」「妥協」「ゆずり合い」「歩み寄り」といった意味です。
There’s no room for compromise.
妥協の余地はありません。=歩み寄りの余地はありません。
「動詞」として使われる場合は、「妥協する」「歩み寄る」といった意味になります。
I don’t intend to compromise with her.
私から歩み寄るつもりはありません。
How far will you compromise?
どこまで妥協するつもりですか?=どこまで歩み寄るつもりですか?
concession
「concession」も「歩み寄る」という表現をしたい場合に使える言葉です。
「concession」は名詞で、「譲歩」「許容」などを表します。
The union hopes to win major concessions from the company.
労働組合は会社から大きな譲歩を引き出したい意向である。=労働組合は会社からの大きな歩み寄りを得たい意向である。
「make a concession」あるいは「make concessions」で、「譲歩する」「妥協する」「折れて出る」といった意味、すなわち「歩み寄る」というニュアンスになります。
We made concessions on minor points.
我々は多少歩み寄った。
George and Nancy made mutual concessions.
ジョージとナンシーは互いに歩み寄った。
まとめ
いかがでしたか。
今回は日本語で2つの意味がある「歩み寄る」に関して、英語でどのように表現すればいいのかを解説しました。それぞれの意味において複数の表現の仕方がありますが、それらのニュアンスの違いもおわかり頂けたかと思います。
ぜひ、何度も音読と暗唱をして、覚えて使ってみてくださいね。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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