ビデオゲームで英語学習
「英語学習にビデオゲームが最適！」。最近そんな言葉をよく聞きます。でも本当にテレビゲームが英語の勉強に役に立つのでしょうか？ ビデオゲームを全然やらない私にはわかりません。でも、英語力を少しでも伸ばしたい私にとって、無視することもできません。そこで今回、ビデオゲームが本当に英語学習に役に立つのか、いったいどれくらい役に立つのか、英語教師の資格を持つ私自身が実際に体験して、教材に最適か、検証してみることにしました！
ゲーム機の種類とビデオゲームの種類
まず、ビデオゲームに何があるのか、そこからスタートです。たくさんの種類があるビデオゲーム機ですが、メジャーかつ最新の機種では、Nintendo Switch、PS5、Xbox Series Xなどがあることがわかりました。価格は4万円〜５万5,000円程度です。
中々いいお値段です。購入するにしてもお試ししてからがいいなあと思い、ではレンタルは無いのかとインターネットで探してみたところ、ゲーム機をレンタルしているサイトがありました！ しかも私が住む沖縄県にも東京から翌日配送です。どのゲーム機にしようかと思いましたが、今回はテレビにつながなくてもプレイできるNintendo Switchをレンタルすることにしました。
「本当に翌日到着するのかな」と半信半疑でしたが、なんとちゃんと翌日の指定した時間に到着しました。さっそく開封してセッティング。
ゲームソフトはまずは任天堂の「無料でダウンロードできるソフト」サイト（https://www.nintendo.co.jp/software/free/index.html?hard=switch）から無料でダウンロードすることにしました。対応言語に「英語」が含まれているおもしろそうなゲームを選択し、ゲーム開始です。
Nintendo Switchの「言語設定」を「English」にすると、英語に対応しているソフトが英語バージョンになります。ただし、英語対応のソフトであっても、どのように英語対応なのかはソフトによっていろいろと違いがあります。
世界中で人気の「ポケモン」のシリーズである『ポケモン クエスト』では、ゲームの言語設定を「English」にすると、ゲーム中に出てくる指示や説明がすべて英語になりました。けっこう長い文章が書いてあったりして、理解するのにちょっと時間がかかります。武器を装備したりする画面でも説明が英語なので、ゲーム初心者の私にはどのように操作すればいいのか悩むことも少なくありませんでした。
ほかのゲームでは、登場人物が英語でしゃべって日本語の字幕が出るものもありました。ゲームごとに、ゲームの中でどのように英語が使われるかはさまざまなようです。
普通のビデオゲームか、英語学習ビデオゲームか
さて次に、有料のものではどんなゲームソフトがあるのかを見てみました。まず英語に対応しているソフトを選ぶために任天堂の公式サイトにある「Nintendo Switch Language Guide」（https://www.nintendo.co.jp/lang/）で確認しました。
そこでわかったのが、ビデオゲームで英語を勉強しようという場合、２つのやり方があるということです。一つは、先ほどの無料ソフトの場合もそうですが、「普通のゲームソフトを英語モードにして遊ぶ」というやり方。もう一つは「英語学習を目的にしたソフトで遊ぶ」というやり方です。
そして、普通のゲームソフトの中から選んだのが次の３本です。魔王を倒し、姫を救い出すという『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』、無人島に移り住み、島民である動物たちとやりとりを楽しむ『あつまれ どうぶつの森』、ポケモンたちを集めたり、バトルさせるなどして遊ぶ『ポケットモンスター ソード/シールド』です。
一方、英語学習ソフトでは、『ドラえもん学習コレクション-Switch』を選びました。『ドラえもん学習コレクション-Switch』は英語学習が初めての人向けですが、十分楽しめる内容になっています。
ビデオゲームで英語学習をするメリット
さてビデオゲームは、英語学習には役立つのでしょうか。実際に遊んでみて私は「役立つ」という印象を持ちました。ビデオゲームは、子ども向けにも大人向けにも英語の勉強に使うことができそうです。ただし目的や使い方の工夫が必要のようです。
私が感じた、ビデオゲームで英語学習するメリットは以下のような点です。
ビデオゲームで英語を学習するメリット
メリット１：子どもから大人まで、英語の学習に使うことができそう。
ゲームソフトにはさまざまな種類があるので、英語学習が初めての学習者からベテランまで、その英語力に合わせてソフトを選べば、英語の学習に役立つと思われます。
メリット２：会話などからリアルな発音や会話を学ぶことができそう。
ゲームに登場する人物が話す英語は、私たちが英語学習をする際に聞き慣れているいわゆるキレイな英語だけでなく、訛りやクセのある英語までいろいろなので、実際的な英語、また、その発音を学ぶことができます。ただし、すべてのゲームに英語での会話音声が入っているわけではありませんので、会話シーンが多く、英語の音声が入っているソフトを使う必要があります。
メリット３：継続が大切な英語学習モチベーションアップに一役買いそう。
英語学習に大切なのは「継続」。しかし、続けるのはなかなか難しいことでもあります。TOEICや英検などの勉強の合間に、リフレッシュすることを兼ねてちょっと別の方向からゲームで英語学習する、というやり方もいいかもしれません。これだと英語学習のモチベーションを持続させるのにもよさそうです。
もちろんデメリットもあると思います。普通のゲームの英語モードの場合、ゲームだけでは文法などは学べないので、やはり文法などの基本の学習は、別途自分で勉強したり、または英語学習ゲームソフトを使うといいと思いました。
具体的な勉強方法は？
次に、実際にビデオゲームで英語を勉強する場合の注意点や具体的な方法をあらためてまとめてみます。
言語設定を英語に変更する
上で述べましたように、普通のゲームで英語を勉強するには、英語に対応しているソフトを選び、ゲーム機の本体設定を「English」にします。今回はNintendo Switchの場合を解説していますが、他のゲーム機でも同様の設定変更をどのようにすればいいのかを確認しておきましょう。
会話の多いゲームを選ぶ
登場人物やキャラクターらの会話が多いゲームで遊ぶことで、リスニングとリーディングの両方のスキルアップが見込めると思います。
わからない言葉はその意味を想像してみる
分からない言葉は辞書で調べるのではなく、会話の状況から想像したり、推測したりしましょう。これはゲームでの英語学習に限らず、英語の教科書や問題集、あるいは小説などを読む場合にも共通するポイントです。文脈から単語の意味を推定するという作業が、英語を読む力を向上させます。
ただし、もちろん最後にはきちんと辞書で意味や使い方などを確認しましょう。自分が想像した意味が合っているかどうか、しっかりと調べるのが大事です。
発音がわからないものはしっかり確認
ゲームの中には、英語の音声の発音がなく文字ばかりのものもたくさんあります。その中にどう発音していいかわからない単語があった場合には、きちんと調べるようにしましょう。
発話に合わせてシャドーイングやオーバーラッピングをする
登場人物が英語で話すシーンでは、登場人物の発話に合わせてシャドーイングやオーバーラッピングをするのも有効です。シャドーイングは発話にすぐ続けて自分も同じように発声すること、オーバーラッピングはほとんど重なるように自分も発声することです（オーバーラッピングは、一般的には英語の書かれた文字も同時に見ながら行います）。ゲームの場合、短いフレーズが何回も繰り返されることも多いので、シャドーイングがやりやすいという面もあります。ただ、意味もわからず真似してはいけません。まずはがんばって聞き取って、意味を理解してからシャドーイングをするようにしましょう。これはゲーム中での会話を利用する場合に限らず、シャドーイング全般に言えることです。
ディクテーションをしてみる
気に入ったセリフなどはディクテーションしてみたらいかがでしょうか。ディクテーションとは流れてくるセリフを書き取るという学習方法です。もし、音声と一緒に英語字幕も付いているものであれば、まずはセリフのある映像を字幕なしで聞きながら書き取り、その後字幕で確認するという方法もあります。
ビデオゲームで英語を楽しもう
いかがでしたか？
今回は「ビデオゲームを使って、英語の学習ができるか？」ということを実際にNintendo Switchを使用してみて体験しながらリポートしてみました。
結論から言うとビデオゲームは英語の学習に役に立ちそうです。ただし、上に見てきましたように、ゲームソフトにはいろいろな種類があって、それを英語モードにした場合、どのような形で英語が出てくるかはソフトによってかなり異なります。出てくる英語も簡単なものからかなり込み入ったものまでさまざまです。ですので、最初から「このゲームで英語を勉強するんだ」と気合いを入れて取り組むよりも、まずは自分が持っているゲームソフトや無料のソフトを英語モードで遊んで雰囲気をつかみ、どんなソフトでどんな英語のトレーニングができるかを自分なりに把握していくのがいいかと思います。
ビデオゲームに関連した役立つ英語フレーズ
最後にビデオゲームに関連した、日常会話で使われる英語フレーズを紹介しましょう。海外の友達同士やオンライン英会話で講師と話す時などにも役立ちますよ。
なお、今回は「ビデオゲーム」という言葉を使ってきましたが、日本語では「テレビゲーム」と言われるのが一般的でした。実は「テレビゲーム」は和製英語で、英語では「video games」です。もっとも、Nintendo Switchのようにテレビにつながなくても遊べる機種も増えてきましたので、最近では日本語でも、「テレビゲーム」よりも「ビデオゲーム」という呼び方の方が定着してきているようです。
- Do you play video games?（あなたはビデオゲームをしますか？）
- I love playing video games.（私はビデオゲームで遊ぶのが大好きです。）
- She never plays any games.（彼女はゲームで全く遊びません。）
- My boyfriend hardly ever plays any games.（私の彼はめったにゲームで遊びません。）
- My father loves to play video games.（私の父はビデオゲームが大好きですなんですよ。）
- I’ve played video games with my father since I was a child.（私は子供の頃から父とビデオゲームをしていました。）
- What kind of video game console/system do you have?（あなたはどんなゲーム機を持っていますか？）
- I have a Nintendo Switch.（私はNintendo Switchを持っています。）
- What’s your favorite video game?（あなたが好きなビデオゲームのソフトはなんですか？）
- My favorite video game is ☓☓☓.（私が好きなビデオゲームは☓☓☓です。）
- My brother always plays video games at home these days.（弟は最近、家でゲームばかりしています。）
- I am hooked.（（ゲームに）ハマっています。）
- We played a new video game all day.（私たちは一日中、新しいビデオゲームをしました。）
会話例
- A：What have you been doing?（最近何してる？）
- B：I have been playing video games because of the Covid-19 pandemic.（コロナのせいで最近テレビゲームをよくやっていますよ。）
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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