抽象名詞と加算名詞を意識する
英会話の時にも、英語の名詞についてちょっと気を付けておくと正確な表現ができることが多いです。
今回は、数えられない抽象名詞と、それを構成する数えられる具体的な意味をもつ名詞のお話です。
名詞の「数」にこだわる英語とこだわらない日本語
英語の名詞というのは日本人にとっては、非常にやっかいなもので数えられるか数えられないかを常に意識する必要があります。
数えられる名詞を「可算名詞」、数えられない名詞を「不可算名詞」と呼びます。
なぜ、これが日本人にとってやっかいかといえば、日本語が名詞の「数」ということにあまりこだわらない言語だからです。
例えば、「今は時間がない」というときに「時間」を数えているか数えていないかなど気にして話す日本人はほとんどいないと思います。
しかし、英語で「時間」は抽象名詞と分類されて不可算名詞になります。
こういう話をすると、必ず、「えっ、でも時間って数えられるよね?だって1時間、2時間って時計で測って数えてるでしょ」と疑問をもつ日本人が少なくありません。
これはもっともなことです。確かに「時間」は数えているのですが、英語では抽象的な意味を表す時間を”time”という単語で表し、1時間、2時間という単位は”hour”という単語で表現しています。
そうです。
time=抽象名詞(不可算名詞)
hour=可算名詞
となるのです。
さらに詳しく見ていきましょう。
「時間」を意味する単語
英語のtimeは言ってみれば「空間」と「時間」といったような大まかな概念を区別するときに使われる時間です。抽象的な概念なので数えられません。
それに対して、以下は「時間」を構成する単位として数えられる名詞になります。
hour 「時間」
minute「分」
second「秒」
つまり、抽象的な「時間」=timeを構成する具体的な単位の集合hour、minute、secondがあるのです。別な捉え方をすると、抽象的な時間は数値化できませんが、具体的な単位は常に数値化されます。
冠詞のa/an、複数形の-sは、可算名詞の証拠
英語の「時間」が抽象的な捉え方と、数値化できる具体的な単位という捉え方ができることを学びました。
ここで、名詞が数えられるかどうかの簡単な見分け方を教えます。
それは、冠詞のa/anがついている、または複数形の-sがついているならば、その名詞は数えているということです。
これは実に単純明快ですね。
an hour ago
for five minutes
のように可算名詞には冠詞や語尾の-sが付きます。
~timesとなる場合
しかし、上記の説明に対して、「~timesという表現があるじゃないか」という反論があります。
まさに、その通りです。
I’ve visited Kyoto three times before. 私はこれまで京都に三回訪れたことがある。
このようにtimeはtimesの形で日常的に使われています。しかし、この場合のtimesは既に抽象的な「時間」という意味ではないのです。可算名詞のtimeは「回数」の意味で使われます。
回数というのは数値化でできるので、当然、数えられます。
気を付けるべきポイントとして、このように同じ名詞が「意味」によって「可算名詞」になったり「不可算名詞」になったりするということです。
その他、抽象的な概念と具体的な概念で構成されている名詞
【音楽】
music=「音楽」(不可算名詞)
「美術」と「音楽」のように大まかな概念として使われるので数えません。
song=「曲」(可算名詞)
「あの曲」「この曲」といった具合に個々の曲を区別できるので可算名詞です。
【お金】
money=「お金」(不可算名詞)
お金という「概念」そのものを表すので数えられません。
coin=「硬貨」
100円玉、50円玉などの具体的な硬貨を意味するので数えられます。
bill=「紙幣」
1,000円札、10,000円札などの個々の紙幣を表すので可算名詞です。
by Mogu
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