日本語の意味をよく考えて適切な英語に!
日本語で「怪しい」といった場合、よく考えるといろいろな意味がありますね。国語辞典を引くと、「そういえばこんな意味もあったな」というような解説がたくさん並んでいます。
そうすると、「怪しい」を英語にしようという場合、いったい自分がどういう意味で「怪しい」と言いたいかを、じっくり考える必要があります。日本語で「怪しい」といっても、その意味によって対応する英語は異なってくるのです。
さてでは、「怪しい」にはどのような意味があるか。また、それぞれの意味に対応する英語はどうなるのか。
日本語の「怪しい」には、主に以下の4つの意味があります。
・疑わしい、胡散臭い
・不思議な
・おぼつかない
・その他
このブログでは、2回に分けて、これらを解説していきたいと思います。
今回の①では、「疑わしい、胡散臭い」という意味の「怪しい」について説明していきます。
そして続編の②で、「不思議な」という意味の「怪しい」、「おぼつかない」という意味の「怪しい」、そして、その他の「怪しい」について取り上げます。
「疑わしい、胡散臭い」という意味の「怪しい」を表す6語
「疑わしい」や「胡散臭い」という意味を表すことができる英単語の形容詞には、「doubtful」「dubious」「suspicious」「questionable」「skeptical」「sketchy」などがあります。一つずつ見ていきましょう。
doubtful
「doubtful」は、物事の信憑性に対して漠然と疑わしいと思う、または確信が持てない時に使います。
発音する時は「doubtful」の「b」は発音しません。「ダウトフル」と読みます。
The credibility of that news is doubtful.
(そのニュースの信頼性は疑わしい。)
It is doubtful whether he will succeed as an actor.
(彼が俳優として成功できるかどうかは疑わしい。)
また、「それは疑わしい」は、動詞の「doubt」を使って「I doubt that.」と言うことができます。直訳すると「私はそれを疑う」となりますが、「それは疑わしい」という意味でまるごと覚えておくと便利です。

dubious
半信半疑の疑わしさがある時は、「dubious」が使えます。「dubious」は、前述の「doubtful」より疑いの程度が低くなります。
At that time, I remained dubious of my own talents.
(その時、私は自分の才能を信じ切れないでいました。)
Everyone considered this dog dubious.
(誰もがこのイヌを疑わしいと思った。)
suspicious
「不審である」というニュアンスの疑わしさがある時は「suspicious」が使えます。
If you see anything suspicious, call the front desk.
(何か疑わしい物を見つけましたら、フロントデスクまで連絡ください。)
There’s a suspicious person at the door.
(怪しい人がドアのところにいます。)
questionable
物事に疑問が感じられ、信頼できないほど疑わしいと思われる時に「questionable」が使えます。
The candidate has a questionable past.
(その候補者には、信頼できない疑わしい過去がある。)
It is highly questionable.
(それは非常に疑わしい。)
skeptical
懐疑的な疑い深さを表す時には「skeptical」が使えます。
A lot of people were skeptical about their president’s ideas.
(多くの人々が社長の考えに懐疑的でした。)
I am skeptical that he gets married
(彼が結婚するということを私は疑わしく思っている。)
sketchy
「スケッチ風の」「概略の」「大ざっぱな」などの意味がある「sketchy」は、怪しげな雰囲気や人に使うこともできます。主に会話で使われます。
It’s a sketchy bar here. Let’s go home!
(ここは怪しいバーだよ。帰ろうよ。)
It’s a sketchy neighborhood. So, stay here. You must not go there.
(かなり怪しい地域なので、ここにいて。あなたは行ってはいけません。)
スラング的表現も含めた5フレーズ
上の6つ以外にも、「疑わしい」「胡散臭い」という意味の「怪しい」を表す英語はいろいろあります。以下、さらに、スラング的な表現も含めて5つ紹介しましょう。「shady」「fishy」「smell a rat」「dodgy」「stink」です。
shady
「影」を英語で「shade」と言います。ここから派生したのが「shady」。「いかがわしい」や「不正の疑いがある」などのニュアンスを持つ「怪しい」です。
Don’t trust them. They are shady characters.
(信じちゃだめ。彼らは胡散臭い人物たちだ。)
Lately he gets home late. He’s been acting shady.
(最近彼の帰宅が遅い。彼の行動が怪しい。)
fishy
「fishy」は、「疑わしい」「胡散臭い」という意味の「怪しい」を表すスラングです。直訳すると「魚臭い」ですが、人や物事が怪しい、胡散臭いと感じる時に使える表現です。
I feel like there’s something fishy about this restaurant.
(このレストラン、何だか胡散臭くて怪しい感じがします。)
「smell fishy」「sounds fishy」という形でもよく使われます。
It smells fishy.
(眉唾です。)
Her business proposal sounds fishy.
(彼女の事業提案は胡散臭いです。)
smell a rat
直訳すると「ねずみの匂いをかぐ」となりますが、これも「疑わしい」「胡散臭い」の意味の「怪しい」です。
I smell a rat about her story.
(彼女の話は胡散臭いぞ。)
Well, I’m beginning to smell a rat.
(そうですね、何だか怪しいという気がしてきました。)
dodgy
イギリスやオーストラリア、ニュージーランドなどで使われているスラングが「dodgy」。「疑わしい」「胡散臭い」という意味になります。「ドジー」と読みます。
A dodgy person talked to me yesterday. It was really scary.
(昨日、胡散臭い人に話しかけられたの。とっても怖かったわ。)
As you said, he is doing a dodgy job.
(あなたが言った通り、彼は怪しい仕事をしています。)
stink
「悪臭を放つ」「臭う」などの意味がある「stink」はスラングで「胡散臭い」という意味もあります。動詞として使います。
His business talk stinks.
(彼の商談は胡散臭い。)
I can’t believe that story! It stinks!
(あの話は信じられない! 胡散臭いわ!)
まとめ
いかがでしたか?
今回は、「怪しい」を表す英語として、「疑わしい、胡散臭い」の意味の「怪しい」について解説しました。
ご紹介したそれぞれの単語は交換可能で使える場合もありますし、そうでない場合もあります。辞書などの例文をたくさん読んで、どんな時にどの単語が使われる傾向にあるかを感じ取ってみてください。
次回は、「いろいろな「怪しい」を使いこなそう②」として、「不思議な」の意味の「怪しい」、「おぼつかない」という意味の「怪しい」、そして、その他の意味の「怪しい」をご紹介したいと思います。
お楽しみに!
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。