salarymanは英英辞典にちゃんと載っている?
和製英語とは日本人が実際の英語にはない言葉をいかにも英語らしく表現したもので、基本的には日本国内でしか通じません。
そして数ある和製英語のなかでも、「サラリーマン」と言えばとりわけ和製英語であることが有名です。
しかし、その和製英語の代表格である「サラリーマン」はなんと英語圏で出版される英語の辞書、つまりネイティブが使う英語の辞書にちゃんと収録されているのです。
本来は間違っているはずの和製英語が本家の英語辞典に載っている。これはいったいどういうことでしょうか?
おそらくは日本であまりにも一般的に使われているので、無視できないほど「サラリーマン」という言葉の存在感が増したのでは、と筆者は推測しています。
そもそも和製英語のサラリーマンが意味しているものは、正式な英語ではビジネスマンです。businessmanと一語で綴るのが普通です。
それでは、英英辞典にも堂々エントリーされている和製英語の星「サラリーマン」は英語でどのように定義されているのでしょうか?
salarymanの英英辞典での定義
まずは、筆者の手元にあるLongman Advanced American Dictionaryを見てみましょう。西暦2000年に出版された辞書です。
salaryman: a man who works in an office in Japan, often for many hours every day
日本の会社で働いている男性、しばしば毎日長時間働いている。
なるほど、英英辞典の「サラリーマン」の定義には、ちゃんと「日本の会社で働く人」と書いてあり「日本」限定の言葉であることが示されているのです。
しかし、この辞書の定義には少し笑ってしまいます。なぜかといえば、カンマ以下の補足情報に「しばしば毎日長時間働いている」とあるからです。
日本の国民性を捉えているとえいば、捉えているのでしょう。
ちなみに同じ辞書で、businessmanを引くと以下の定義がでてきます。
businessman: a man who works in business
なるほど、当然ながらbusinessmanは国際的に使える言葉なので「サラリーマン」のように特定の国の名前は入っていません。
さらに、salarymanの定義ではin an officeとなっていたものが、businessmanの定義ではin businessと変わっているのは興味深いです。
in an officeというと、いかにも会社の中で働いてる、会社に縛られている印象を受けます。それに対してin businessというと会社のオフィスの中だけでなく、広くビジネスに携わっている人という印象でしょうか。
こうした単語の選び方からも意味を読み取っていくと良いと思います。
もうひとつ別の英英辞典でもsalarymanの定義を見ておきましょう。
オンラインのmacmillan dictionaryです。
Macmillan Dictionary | Free English Dictionary and Thesaurus
こちらのオンライン英英辞典での定義は以下のようなものです。
salaryman: a man in Japan who works in an office and is paid a salary
会社で働き給料をもらっている日本の男性
なるほど、やはり「日本」という国が定義に入ってきますね。さらに、こちらの定義では、なぜsalarymanという呼称になったかを説明するように、and is paid a salaryが付け加えられていることも目を引きますね。
皆さんもお手元にある英英辞典でsalarymanを引いてみてください。ちょっとしたバリエーションに海外の人からみた日本のサラリーマン像が垣間見えます。
by Mogu
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