最も翻訳しづらい世界の単語ランキング
<俳句は英語へ翻訳が可能?>でご紹介した、ポルトガル語の「saudade(サウダーデ)」という言葉。2008年11月にイギリスのtodaytranslationという会社が出した「Most untranslatable words(最も翻訳しづらい世界の単語ランキング)」という調査レポートで、この「saudade」は堂々の第7位に入っています。
ちなみに、このランキングで10位までに入っている単語は以下のようになっています。
1位:「ilunga」 – Tshiluba word for a person who is ready to forgive any abuse for the first time, to tolerate it a second time, but never a third time. ルバ語(ニジェール・コンゴ語族のバントゥー語群に属する言語。コンゴ民主共和国で話されており、国民の言語の1つとして認められている)で「虐待されても最初は許し、二度目は耐える。だが、三度目は絶対に許さない人」
2位:「 shlimazl」 – Yiddish for a chronically unlucky person. イディッシュ語( ドイツ語にヘブライ語とスラブ語が混和したもので、ヘブライ文字で書く。中欧、東欧、米国のユダヤ人移民が用いる言語)で「いつも運の悪い人」
3位:「 radioustukacz」 – Polish for a person who worked as a telegraphist for the resistance movements on the Soviet side of the Iron Curtain. ポーランド語で「鉄のカーテン時代(ヨーロッパの冷戦時代)のレジスタンス活動において旧ソビエト側で通信士として働いた人」
4位:「 naa」 – Japanese word used only in Kansai area of Japan, to emphasise statements or agree with someone. 日本語で関西地域のみで使われる言葉。強調や同調に使われる。
5位:「 altahmam」 – Arabic for a kind of deep sadness. アラビア語で「深い悲しみ」
6位:「 gezellig」 – Dutch for cosy. オランダ語で「居心地のよい」
7位:「 saudade」 – Portuguese for a certain type of longing. ポルトガル語で「ある種の思慕」
8位:「 selathirupavar」 – Tamil for a certain type of truancy. タミル語で「無断欠席、ずる休み」
9位:「 pochemuchka」 – Russian for a person who asks lots of questions. ロシア語で「たくさん質問をする人」
10位:「 klloshar」 – loser in Albanian. アルバニア語で「敗者」
出所:todaytranslation「Most untranslatable words」(抄訳・注釈:筆者)
1位や3位は、戦争・内戦という歴史の中で生まれた言葉と推察され、その国・地域の人々にしかわからない思いが背景にあるように思います。
一方、8位や9位はクスッと笑ってしまいました。 こういう人がたくさんいて、社会問題とまではならなくとも「ちょっと困った存在」として日常的に会話にのぼるのでしょうか。
6位は<俳句は英語へ翻訳が可能?>でご紹介した、デンマーク語の「hygge(ヒュッゲ)」と同じような意味の言葉かと思われます。
さて、われらが日本語、というか関西弁が第4位にランキングされているのは誇らしいですね!「なあ」とは、たとえば「ほんまやなあ」「そうやんなあ」「おもろい人やなぁ」などの言い方だと思いますが、筆者は関西人ではないので間違っていたらすみません。
ちなみに関西言葉でしたら、筆者は「知らんけど」を推したいです!たとえば「道頓堀でラーメン食べるんやったら●●屋がええで。知らんけど」という言い方です。「知らんけど」を英語にすると「I guess」とか「I’m not sure though」かと思います。説明としては「the word used to forestall an attack in case your statement turns wrong(自分の言ったことが間違っていた場合、責められないように予防線を張る言葉)」でしょうか。
いずれにしても、このランキングに「侘び寂び」や「原風景」「おもてなし」など、日本の誇れる文化に関する日本語が入らなかったのは、やや残念です(決して、関西弁の「なあ」が文化に関する言葉ではないと言っているわけではありません)。でも、筆者だけでなく、おそらくこのランキングを見た人は皆、「自分の国のあの言葉が入っていないなあ」 などと思いを巡らすのではないでしょうか。
By Acco
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