意味は能動態的な受動態
形は受動態だけれども意味は能動態的であり、特に日本語に訳す場合は能動態のように訳した方がいい言葉があります。
後ろに「by〜」がくるものも多いですが、「by」以外の前置詞も使わなければいけないものもあるので、どの言葉にどの前置詞が適切かにも注意しながらしっかり覚えていきましょう。
受動態とは
まずは受動態についてちょっとだけおさらい
英文には「能動態」と「受動態」という2つの形があります。
「〜する」という普通の文が「能動態」です。
Everyone loves Tom.
みんながトムを愛している。
一方、「〜される」といういわゆる受け身の文章が「受動態」です。
Tom is loved by everyone.
トムはみんなに愛されている。
元の主語(Everyone)と目的語(Tom)がひっくり返り、元の動詞の部分が、「be 動詞」+「動詞の過去分詞」となります。
必要な場合は、能動態の文の主語を、文の最後に「by」をつけて持ってきます。
感情を表すものが多い
「感情を表す動詞」は受動態の形で、能動態のように訳すことが多いです。たくさん動詞はあるのでよく使われているほんの一部を紹介します。ここではわかりやすいように便宜上「嬉しい/楽しい系」「悲しい/怒り系」「感動系」「いろいろな感情に使える系」「興味・関心・決意系」「その他:感情を含まない系」の6つに分けて、それぞれ例文とともに見ていきましょう。
嬉しい/楽しい系
・be satisfied〜
「be satisfied 〜」は、「with」「by」「in」「about」「at」を伴うと「〜に満足している」という意味になります。「be satisfied to 動詞の原形」で「〜して満足している」、「be satisfied to動詞のing形」になると「〜に満足する」という意味になります。
We are satisfied with our lives.
私たちは自分たちの人生に満足している。
She was satisfied to think that was probably right.
彼女はそれはたぶん正しいと考えて満足していた。
・be delighted〜
「be delighted~」は、「with」「by」「at」を伴って、「〜をとても喜ぶ」「大変うれしく思う」などの意味になります。
また、「be delighted to 動詞の原形」で、「〜してとても喜ぶ」「喜んで〜する」という意味にもなります。
「be delighted that節」になると、「〜であることをとても喜ぶ」というような意味にも。
She was delighted at the news.
彼女はその知らせを聞いて喜んだ。
I’m delighted to have you (here).
ようこそおいでくださいました。
※訪問客等に対する丁寧なあいさつの慣用表現です。このまま覚えましょう。
・be pleased〜
「be pleased〜」に「with」「at」「by」「about」「that節」を伴うと、「〜に満足している」「〜を/〜ということを喜んでいる」「〜を/〜ということを気に入っている」などの意味になります。
「be pleased〜」は、「to 動詞の原形」で、「〜して(できて)嬉しい」「幸せである」「満足している」などの意味になります。「be pleased to動詞のing形」になることもあります。
She was pleased with the results.
彼女はその結果に満足していた。
I’m very pleased to meet you.
お会いできて本当に光栄です
・be excited〜
「be excited〜」に「about」「by」「at」「to 動詞の原形」「that節」を伴うと、「〜に興奮して」「〜ということにわくわくして」「うきうきして」などの意味になります。
She is excited about a new opportunity.
彼女は新たな機会にワクワクしている。
I am excited at the good news.
私は嬉しい知らせに興奮している。
また文脈によっては「be excited about」は「落ち着かない」というようなニュアンスにもなります。
悲しい/怒り系
・be disappointed 〜
「be disappointed」に「in」「with」「by」「at」「about」「to 動詞の原形」「that節」がつくと「〜に失望して」「〜にがっかりする」という意味になります。
She must have been disappointed at the news.
彼女はそのニュースにがっかりしたに違いない。
I was so disappointed at that time.
私はその時とても悔しかった。
・be annoyed 〜
「be annoyed」は、「with」「at」「by」「about」「that節」「when節」などを伴い、人の態度や振る舞いや、虫や動物、物事などにイライラする時に使われます。
Now I am annoyed with cockroaches in my room.
私は今、自分の部屋でゴキブリに悩まされている。
I’m annoyed at my father.
私は父に対して腹が立っている。
・be depressed 〜
「be depressed」に「about」「at」「over」などを伴い、「気落ちして」「落胆して」という意味になります。
They are depressed about the result.
彼らはその結果に気落ちしている。
I’m depressed about my life.
私は自分の人生を悲観している。
・be frustrated 〜
「be frustrated」は、「by」「with」「at」「that節」などを伴い、「〜にイライラした」という意味になります。ほかにも、「〜に不満を持っている」「失望した」「がっかりした」などの意味にもなります。
She is frustrated by her forgetfulness.
彼女は自分の忘れっぽさにイライラしている。
He is frustrated by her indecision.
彼は彼女の優柔不断さにイライラしている。
・be irritated 〜
「be irritated」は「by」「with」「at」「that節」などを伴って、「〜にイライラした」「〜してイライラした」「〜に腹の立った」「〜して腹の立った」などの意味を表します。
They’re very irritated with me.
彼らは、私にとても腹を立てています。
She was irritated at the thought of his loose behavior.
彼のだらしない態度を考えただけで彼女はイライラした。
感動系
・be surprised 〜
「be surprised」に「at」「by」をつけると「〜に驚く」「〜にびっくりする」などの意味になります。
また「be surprised」が「to 動詞の原形」「that節/wh節」を伴うと、「〜して驚く」「〜ということに驚く」「〜かということに驚く」というような意味になります。
She was surprised by the news.
彼女はその知らせに驚きました。
Mmm… I’m surprised at these cheeses.
う−ん…このチーズには驚いた。
・be moved 〜
「be moved〜」で「心を動かす」「感動する」「感激する」「感銘する」と言う意味になります。
I was moved to tears.
感動して涙が出ました。
She was moved by looking at beautiful sea.
彼女は美しい海を見て感動した。
いろいろな感情に使える系
・be stunned 〜
「be stunned〜」に「by」「at」「to 動詞の原形」などがつくと、「〜で愕然として」「〜して茫然として」「〜で唖然として」などの意味になります。これは悲しくてショックな出来事や思いがけず嬉しい時など、両方に使えます。
Our friends were stunned by the news of Tom’s death.
我々友人らはトムの死を知って気が動転した。
She was stunned by the beauty of the picture.
彼女はその絵の美しさに見とれていた。
・be astonished 〜
「be astonished」に「at」「by」「with」「to 動詞の原形」「that節」がついて、「〜に非常に驚いて」「〜して非常に驚いて」「〜ということに非常に驚いて」というような意味になります。
I was astonished at the news.
私はそのニュースにとても驚いた。
I was astonished that she spoke English so well.
私は彼女が英語をうまく話したので驚いていた。
興味・関心・決意系
・be determined to 〜
「be determined to 〜」「be determined that 〜」は「〜しようとかたく決意している」「〜ということをかたく決心している」という意味になります。
I’m determined to finish this homework by 6.
6時までに宿題を終わらせることを決心している。
They are determined that one day they are going to make it big.
彼らはいつの日か必ず成功してみせるとかたく決意している。
・be absorbed in 〜
「be absorbed in 〜」は「〜に没頭して」「熱中して」「夢中になって」などの意味になります。
I was absorbed in the film when the phone rang from him.
彼から電話があった時、私は映画に夢中になっていた。
She was totally absorbed in her book.
彼女は完全に本に夢中になっていた。
・be interested〜
「be interested〜」に「in」をつけると、「〜に興味を持っている」「〜に関心がある」という意味になります。
また「be interested 〜」に「in 動詞のing形」「to 動詞の原形」で「〜したいと思う」「〜することに興味がある」などの意味になります。 「want to 動詞の原形」より遠回しなニュアンスです。
I’m really interested in politics.
私は政治に非常に興味がある。
She is interested in working with Nancy.
彼女はナンシーと仕事をしたいと思っている。
・be bored 〜
「be bored」に「with」「of」をつけると、「〜に(で)退屈している」「うんざりしている」という意味になります。
He is bored with his job.
彼自分の仕事にうんざりしている。
They are bored of waiting.
彼らは待ちくたびれている。
その他:感情を含まない系
事実だけを表すような、感情を表す動詞ではないものにも、形は受動態で能動態訳した方がいいものがたくさんあります。
・be married to 〜
「be married to 〜」は「〜と結婚している」という意味になります。
Are you married to him?
彼と結婚しているの?
She is married to a rich person.
彼女はお金持ちと結婚している。
また、「〜に心を決める」という意味もあります。
I’m not married to it.
まだそれをはっきり決めたわけではありません。
・be injured in 〜
「be injured in 〜」は「〜で怪我をして」という意味になります。
She said she’d been slightly injured in a skiing accident.
彼女はスキー中、軽傷を負いました。
They were fortunately not to be injured in the accident.
彼らは幸運にもその事故でけがをしなかった。
・be accustomed to 〜
「be accustomed to 〜」は「〜することに慣れている」「〜が習慣になっている」「常習的に〜している」という意味になります。
We aren’t accustomed to complaints from customers.
私たちは客からの苦情に慣れない。
I wasn’t accustomed to my new job.
私は新しい仕事に慣れなかった。
おわりに
いかがでしたか?
まだまだたくさんありますが、今回取り上げたフレーズは日常会話で自分の感情を表現する時に便利な言い回しばかりです。また決まった言い方が多いですので、ここで覚えてしまいましょう。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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