英単語の微妙な違いに注意!
見た目は同じでも、発音やアクセントの位置によって意味が違ってくる単語があります。意味が変わるとちょっとだけつづりも変わる単語もあります。また、アメリカとイギリスでかなり異なる場合も。
時折そんな単語に出会っては、「ややこしいなあ」「覚えにくいなあ」「全然覚えられないや」と、筆者も何度も涙目になっています。
そこで、今回は、そうした“微妙な変身”を見せる単語の中で、使用頻度の高いものをピックアップして解説していきたいと思います。
なお、今回は発音記号も付記しています。発音記号だけではわかりにくい場合は、インターネットの辞書サイトなどで音を実際に聞いてみてください。
また、特に記述のない場合は、アメリカ英語の発音で記しています。
1.品詞によってアクセントの位置と発音が変わる単語
1つの単語が、ある時は名詞として使われたり、ある時は動詞として使われたりすることがあります。発音やアクセント(強く読むところ)の位置が全く変わらないという単語も少なくありませんが、品詞が変わるとアクセントの位置や発音が変わる単語があります。
傾向としてその多くが、動詞として使われる場合は後方にアクセントが置かれ、名詞や形容詞として使われる場合は前方にアクセントが置かれます。以下の単語は、すべて動詞の時は後方にアクセントが、名詞や形容詞の時は前方にアクセントがあります。
【attribute】
動詞 [ətríbjət]:(原因を)〜に帰する
Her death was attributed to lung cancer.
(彼女の死因は肺癌であるとされた。)
名詞 [ǽtrɪbjuːt]:特性・象徴
This sword is the attribute of a king.
(この剣は王の象徴です。)
【contract】
動詞 [kəntrǽkt]:〜する契約を結ぶ
I contracted to work three hours a day.
(私は一日三時間働く契約を結んだ。)
名詞 [kɑ́(ː)ntrækt]:契約
This is a contract for the sale of land.
(これは土地の売買契約です。)
【increase】
動詞 [ɪnkríːs]:増加する
Japan’s trade with Indonesia has increased.
(日本とインドネシアの貿易は増加しています。)
名詞 [ínkriːs]:増加
The increase in population was extremely large.
(人口増加が激しかった。)
【decrease】
動詞 [dìːkríːs]:減少する
My salary decreased.
(私の給料が減りました。)
名詞 [díːkriːs]:減少
This is a decrease of 5%.
(これは5%の減少です。)
【produce】
動詞 [prədjúːs]:生産する
The company produces popular products.
(その会社は人気商品を生み出している。)
名詞 [próʊdjuːs]:農産物
This shop has fresh produce.
(この店には新鮮な農作物があります。)
【record】
動詞 [rikɔ́ːrd]:記録する
We were recording her confession.
(私達は彼女の告白を記録していました。)
名詞 [rékərd]:記録
Her kid set a school record in the 50-meter sprint
(彼女の子どもは50m走で学校記録を作った。)
【present】
動詞 [prɪzént]:贈る
The children presented many flowers to their mothers.
(子どもたちはお母さんにたくさんの花を贈りました。)
名詞 [préz(ə)nt]:贈り物
This is a present from George.
(これはジョージからのプレゼントです。)
形容詞 [préz(ə)nt]:現在の
Could you tell me the present temperature?
(現在の気温を教えてもらえますか?)
2.品詞によって発音が微妙に変わる単語
次は、アクセントの位置は変わりませんが、語尾の発音が微妙に異なるものです。
【use】
動詞 [juːz]:使う
Many people use this type of computer.
(多くの人々がこのタイプのコンピュータを使っている。)
名詞 [juːs]:使用、使用法
Do you know the use of this idiom?
(この熟語の使い方を知っていますか?)
【diffuse】
動詞 [dɪfjúːz]:拡散する
It takes five minutes for the anesthetic to diffuse throughout your body.
(麻酔薬があなたの体全体に広がるのに5分かかります。)
形容詞 [dɪfjúːs]:広がった
She has diffuse back pain.
(彼女は背中の広範囲に痛みを感じている。)
【excuse】
動詞 [ɪkskjúːz]:許す、言い訳をする
My teacher excused me for being late.
(先生は私の遅刻を許してくれた。)
名詞 [ɪkskjúːs]:言い訳
No more excuses, OK?
(もう言い逃れはだめだよ、わかった?)

3.品詞によってつづりと発音が微妙に変わる単語
品詞によって、単語のつづりが微妙に変わる英単語もあります。同時に発音も少し変わってきます。以下に一例を挙げましょう。
advice [ədváɪs] | 名詞(忠告、助言) |
---|---|
advise [ədváɪz] | 動詞(忠告する、助言する) |
The doctor gave me some advice.
(医者は私にいくつかのアドバイスをくれた。)
The doctor advised me to do some exercise.
(医者は私に運動するよう強く勧めた。)
device [dɪváɪs] | 名詞(装置、端末) |
---|---|
devise [dɪváɪz] | 動詞(工夫する、考案する) |
The device is broken.
(その器具は壊れています。)
Bell devised the telephone.
(ベルが電話を考案しました。)
4.アメリカ英語とイギリス英語で発音が違う単語5選
アメリカ英語とイギリス英語では基本的な部分で発音が異なりますが、通じないというようなことはほとんどありません。でも中には、知らないと何のことを言っているのかわからないような、つづりは同じなのにかなり発音が違う単語があったりします。
そうした中から、ここでは5つ紹介しましょう。
1. privacy:プライバシー、私的な自由
アメリカ英語 [práɪvəsi](プライヴァスィ)
イギリス英語 [prívəsi](プリヴァスィ)
It is a breach of privacy.
(それはプライバシーの侵害です。)
2. schedule:スケジュール、予定
アメリカ英語 [skédʒuːl](スケジュール)
イギリス英語 [ʃédjuːl](シェデュール)
I have a busy schedule.
(私はとても忙しい。)
3. tomato:トマト
アメリカ英語 [təméɪt̬oʊ](タメイトウ)
イギリス英語 [təmɑ́ːtəʊ](タマータウ)
Put sliced tomatoes into the pan.
(薄く切ったトマトをその鍋に入れます。)
4. vase:花瓶
アメリカ英語 [veɪs](ヴェイス)
イギリス英語 [vɑːz](ヴァーズ)
Could you pass me some vases with handles, please?
(取っ手のついた花瓶を幾つか取ってください。)
5. leisure:余暇
アメリカ英語 [líːʒər](リージャー)
イギリス英語 [léʒə](レジャ)
I enjoy a life of leisure.
(私は余暇のある生活を楽しんでいます。)
本稿の英語のアクセント・発音についてのまとめ
いかがでしたか?
今回は、品詞が変わると発音やアクセントが変わったり、ちょっとつづりが変わったりする単語の中から、代表的なものをピックアップしてご紹介しました。
アクセントの位置などをその時々に応じて正しく使い分けるのはなかなか難しいですが、ここは英語がきちんと伝わるかどうかの鍵になる部分でもあります。しっかり使い分けができるように、繰り返し練習しましょう。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。