「dare」と「need」の使い方
「dare」と「need」は、動詞にも助動詞にもなりますので、ちょっとややこしいです。学校ではあまり詳しく習いませんが、実は実際の英会話ではよく登場するこの2つの言葉。
今回はそんな「dare」と「need」の使い方をあらためて説明しましょう。
動詞にも助動詞にもなる「dare」の使い方
「dare」は「勇気を出して〜する」「大胆にも〜する」「あえて〜する」といった意味ですが、実は動詞になったり、助動詞になったりします。また、その中間で曖昧に使われることもあります。
助動詞として使う場合は主に、否定文や疑問文に使うことが多いとされています。
動詞として使う場合は「dare-dared-dared」というように過去形、過去分詞形が変化します。現在分詞は「daring」となります。三単現の場合は「dares」です。
助動詞として使う場合は、過去形などの変化形はありません。
動詞のdareは肯定文、否定文、疑問文すべてで使う事ができる
He dared to tell the fact.
(彼は勇気を出してその事実を述べた。)
He did not dare to tell the fact.
(彼は勇気を出してその事実を述べることはしなかった。)
Did he dare to tell the fact?
(彼は大胆にもその事実を述べたのですか?)
以上、いずれも「dare + to + 動詞の原形」、つまり「dare + to不定詞」の形ですが、実は「to」が省略される場合もあります。この点が、以下に説明する助動詞としての使い方の場合と混乱する原因の一つです。
「dare」が助動詞として使われる場合は否定文か疑問文が普通
「dare」は助動詞として使われることもあります。この場合は、否定文か疑問文の場合が普通です。助動詞ですので過去形などの変化形はありません。また、続く動詞は原形になります。
否定文で助動詞の「dare」を使う場合は「dare + not + 動詞の原形」となり、「〜する勇気がない」「あえて〜することはない」といった意味になります。また、「dare not」は短縮形の「daren’t」になることもあります。
He dare not tell the truth.
(彼には本当のことを言うような勇気がない。)
疑問文で助動詞の「dare」を使う場合は「Dare + 主語 + 動詞の原形 〜?」の形になり、「〜する勇気がありますか?」「あえて〜しますか?」という意味になります。
Dare he tell the truth?
(彼は本当のことを言う勇気がある人ですか?)
慣用表現で使われる助動詞の「dare」
「dare」は慣用表現でよく使われます。
・How dare you! (よくもまあ!)
2019年9月、スウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんが、国連気候変動サミットのスピーチの中で「How dare you!」と言ったことが話題になりました。覚えている人も多いのではないでしょうか。
意味は「よくもまあ!」「信じられない!」「何を考えているんだ!」など。ケンカになった時など、日常的に飛び出すフレーズです。
映画や海外ドラマなどでもよく聞きますね。
「How dare you」の「you」の後に文章をつないで「よくもまあ(図々しく)〜できるものだ」などと言うこともできます。
How dare you come here again!
(よくもまあまたここへ来られたもんだ。)
How dare you call her a liar!
(よくもまあ、彼女を嘘つきだなんて呼んだものだ。)
・I dare say 〜(たぶん)(おそらく)
イギリスでよく使われているようです。
米国ではやや古い言い回しと記載されている辞書もあります。
I dare say she will come.
(たぶん、彼女は来るでしょう。)
動詞にも助動詞にもなる「need」の使い方
「need」は「〜する必要がある」「〜が必要である」といった意味ですが、これも動詞として使われたり、助動詞として使われたりします。
動詞として使う場合は「need-needed-needed」というように過去形、過去分詞形が変化します。現在分詞は「needing」となります。三単現だと「needs」。
助動詞として使う場合は主に否定文や疑問文になります。
助動詞として使う場合は過去形などの変化形はありません。
動詞の「need」は肯定文、否定文、疑問文すべてで使う事ができる
「〜する必要がある」と表現したい場合は、「need」の後に「to不定詞」が続くのが普通です。「have to」の同義語として紹介される場合も多いですね。
You need to go to her home.
(あなたは彼女の家に行く必要があります。)
You don’t need to go to her home.
(あなたは彼女の家に行く必要がありません。)
Do you need to go to her home?
(あなたは彼女の家に行く必要がありますか?)
「need」が助動詞として使われる場合は否定文か疑問文が普通
「need」は助動詞として使われることもあります。この場合は、否定文か疑問文の場合が普通です。助動詞ですので過去形などの変化形はありません。また、続く動詞は原形になります。
否定文で助動詞の「need」を使う場合は「need + not + 動詞の原形」となり、「〜する必要がない」といった意味です。また、「need not」は短縮形の「needn’t」になることもあります。
You need not go to her home.
(あなたは彼女の家に行く必要がありません。)
疑問文で助動詞の「need」を使う場合は「Need + 主語 + 動詞の原形 〜?」の形になり、「〜する必要がありますか?」という意味になります。
Need you go to her home?
(彼女の家に行く必要がありますか?)
「need」を動詞、助動詞で使った場合のニュアンスの違い
ちなみにイギリス英語では、「need」を動詞として使った場合は現実にわかっているという客観的な状況を示し、「need」を助動詞として使った場合は話し手の主観的な指示を表す、という違いがあるとされています。
She doesn’t need to know.(彼女は知る必要はありません。)
動詞「need」を使う場合、彼女はすでに知っているので知らせる必要はない、という意味です。
She need not know.(彼女は知る必要はありません。)
助動詞の「need」だと、彼女が知らない、または知っているという事実には関係なく、彼女に知らせる必要はない、というニュアンスになります。
まとめ
いかがでしたか。
ちょっとややこしいので、理解するのに時間がかかるかもしれません。
でもゆっくりでいいので、イヤにならずに勉強を続けてみてくださいね。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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