「be動詞」と組み合わされる3つの言葉:gone/done/finished
完了形は、通常、「have+動詞の過去分詞」「has+動詞の過去分詞」または「had+過去分詞」の形です。
ところが、「have」「has」「had」を使わないで完了の意味を表すものが3つほどあります。
本来は「have+動詞の過去分詞」「has+動詞の過去分詞」または「had+過去分詞」の形の完了形だったものが、be動詞とともに使われるのが普通になったものです。
それは、「go(gone)」「finish(finished)」「do(done)」の3つです。
この3つは、「have」「has」「had」の代わりに「be動詞」と組み合わせて完了的な意味を表すことが多くなっています。
今回はこの「have」「has」「had」を使わないで完了の意味を表す用法について解説したいと思います。
go(gone)
「台風は過ぎ去った。」を現在完了形で言うと「The typhoon has gone.」となります。しかし、日常的な会話においては「The typhoon is gone.」ともいいます。
「has」ではなく「be動詞」の「is」を使うわけです。
My right leg hurt yesterday. But my pain is gone now.
(昨日は右足が痛かったです。しかし痛みはもうありません。)
Oops! The salt is all gone. I have to go buy it right now.
(しまった! 塩をすっかり使い切った。すぐに買いに行かないといけない。)
「gone」は現在完了的な意味を表すだけでなく、be動詞の過去形と組み合わせれば、過去の出来事を表現することもできます。
He was surprised at the news. The smile was gone from his face.
(彼はニュースを聞いて驚いた。彼の顔から笑顔が消えた。)
After he went to the toilet, his bag was gone. Yes, he had his bag stolen.
(彼がトイレに行った後、彼のカバンはなくなりました。ええ、彼のカバンは盗まれたんです。)
finish(finished)
「(食事などを)食べ終わりました。」という場合、本来は現在完了形を用いて「I’ve (I have) finished.」と言いますが、「I’m finished. 」とも言います。しかも、現在完了形での言い方はあまり聞かなくなっています。
I’m finished cleaning. I’m going to take a little break.
(掃除を終えた。少し休憩しよう。)
Hey, are you finished with lunch? Let’s go to the movies.
(ランチ食べ終わった? 映画見に行かない?)
Is everyone finished?
(みなさん終わりましたか。)
やはり、be動詞を過去形にすることで、過去の出来事を表現することもできます。
He was finished talking. Then the venue was surrounded by cheers and applause.
(彼は話し終えました。そして、会場は歓声と拍手に包まれました。)
do(done)
「仕事は終わりました。」という場合、本来は現在完了形を用いて「I’ve done (I have done) with the job.」となります。しかし、「have」ではなく「be動詞」を使って、「I’m done with the job.」ともいいます。
I’m almost done with my job. I have to help my colleagues tomorrow.
(私の仕事はほとんど終わったわ。明日は同僚を手伝わないといけないな。)
Are you done? Let’s grab a drink!
(終わった? 一杯どう?)
OK, I am done. I’m going to bed.
(よし、終わった。そろそろ寝るかな。)
Is everyone done?
(みなさん、終わりましたか?)
Hey! Where are you going? Listen to me! I’m not done.
(おい、どこ行くんだよ! 聞けよ!オレの話は終わってないぞ!)
まとめ
いかがでしたか。
今回は、完了形を使うべきだと思われるのに、「have」「has」や「had」ではなく「be動詞」が使われる3つの言葉の用法について解説しました。
ちなみに、「gone」「finished」「done」は、辞書によってはすでに形容詞として項目を立てて解説をしているものもあります。「be動詞」と一緒に使われるのが普通になっているためです。
最後に、今回このテーマを取り上げようと思ったのは、意外と日本ではまだ知られていないのではと感じたからです。
海外でレストランに行った時、最後に「Are you finished?」とよく聞かれました。また、海外テレビや映画を見ていると、「I’m finished.」と言っているのをよく耳にします。
「え、現在完了形で言わないの? ここでは現在完了形を使うんじゃないの? そう習ったのに、なんで?」といささか混乱しました。しかし5年ほど前に、短期語学留学した時、その英語学校で使った教科書に、「本来は完了形だったものが、be動詞とともに使われる用法がある」と書いてあり、ようやく合点がいきました。
いずれにしても覚えておくと便利な使い方です。
ぜひ、活用してみてくださいね。
byあいんちゅ
(同じライターの別の記事を読む)
ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。