今回は「「to不定詞」と「動名詞」のうち、「動名詞」だけを目的語にできる動詞」について解説したいと思います。
その前に、まずは「動名詞」とは何でしょうか。
「動名詞」とは、動詞に「-ing」がついて名詞の働きをするようになったものです。
「〜する」という動詞が「〜すること」という意味になります。
ちなみに「-ing」の形には「現在分詞」もあります。見た目は同じですが、「動名詞」と「現在分詞」は基本的には違うものなので注意しましょう。
以下に一例を挙げます。
play → playing
begin → beginning
die → dying
be → being など
「play」や「be」のように「-ing」をつけるだけでいいものが多いのですが、「begin」や「die」のように綴りが変わるものもあります。
「動名詞」は「名詞」のような働きをするものですので、普通の名詞と同様に、「主語」「動詞の目的語」「補語」「前置詞の目的語」になることができます。
さて今回は「動名詞」が「動詞の目的語」になる場合に注意すべきことの解説です。
「動詞の目的語」には普通の名詞のほかに、「動名詞」や「to不定詞」が使われることがあります。
ただし、どんな動詞にもその目的語として「動名詞」や「to不定詞」が使えるわけではありません。
動詞によって、普通の名詞に加え、「動名詞」と「to不定詞」の両方を目的語にできるもの、「動名詞」だけを目的語にできるもの、「to不定詞」だけを目的語にできるもの、というように違いがあります。
また、両方を目的語にできる場合でも、「動名詞」と「to不定詞」で意味が異なってくるものもあります。
以下は、「動名詞」と「to不定詞」のうち、「動名詞」だけを目的語にできる主な動詞です。
mind(〜を気にする、〜をいやがる、迷惑に思う)
enjoy(〜を楽しむ)
give up(〜をあきらめる)
avoid(〜を避ける)
finish(〜を終える)
escape(逃げる)
practice(〜を練習する)
stop(〜を止める)
これらの頭文字を取ると、「megafeps」となり、これを日本語で「メガフェプス」と読んで暗記する方法があります。
ただし、「動名詞」だけを目的語にできる動詞は他にもありますので、この「メガフェプス」にどの単語をあてはめるかが、解説によって違っていることもあります。
また、より多く暗記するために「メガフェプス」にさらに独特の読み方を追加する場合もあります。自分の暗記やすいようにカスタマイズするといいでしょう。
以下に、上に挙げた動詞以外で、「動名詞」のみを目的語にできるものをいくつか紹介します。
consider(〜しようかとよく考える)
deny(〜したことを否定する、〜であることを否定する)
postpone(〜するのを延期する)
put off(〜するのを延期する)
admit(〜ということを認める、〜したことを認める)
advise(〜することを勧める)
imagine(〜するのを想像する)
suggest(〜することを提案する、〜してはどうかと提案する)
miss(〜をしそこなう、したのを懐かしく思う、〜できなくなったことを残念に思う)
「動名詞」だけを目的語にできる主な動詞を使った例
上に挙げた、「to不定詞」と「動名詞」のうち「動名詞」だけを目的語にできる動詞を使った例文をご紹介しましょう。
mind
Would you mind making us some tea?
(私たちにお茶を淹れてもらえませんか?)
enjoy
I enjoyed watching the movie.
(私はその映画を見ることを楽しんだ。)
give up
Are you going to give up studying abroad?
(留学することを諦めるつもりなの?)
avoid
He avoided staying late at the library.
彼は図書館に遅くまでいることを避けた。
finish
I finished reading the thesis.
(私はその論文を読み終えました。)
escape
He narrowly escaped being crushed to death.
(彼はかろうじて押しつぶされて死ぬのを免れた。)
practice
I practiced reading rapidly yesterday.
(私は昨日速読の練習をした。)
stop
He stopped smoking.
(彼はタバコを吸うことをやめました。)
「stop」は次のように後ろに「to不定詞」がくる場合もありますが、意味が変わります。
He stopped to smoke.
(彼はタバコを吸うために立ち止まった。)
この場合は「to smoke」は「stop」の目的語ではなく、「〜のために」という意味を表しています。
「stop」は「〜を止める」という意味の他動詞としてではなく、「立ち止まる」という意味の自動詞として使われています。
consider
Would you consider going with him?
(彼との同行を検討なさってはいかがですか?)
deny
They denied being involved in the case.
(彼らはその件に関与したことを否定した。)
postpone
Our president postponed signing the contract.
(弊社の社長はその契約への署名を延期した。)
put off
He always puts off doing his homework.
(彼はいつも宿題をすることを先延ばしにする。)
admit
They admitted breaking the law.
(彼らは法を犯したことを認めた。)
advise
I’d advise taking every caution against earthquakes.
(地震には万全の注意をするよう勧めます。)
imagine
I can’t imagine living in Switzerland.
(私がスイスに住むなんて想像できない。)
suggest
She suggested taking a vacation.
(彼女は休暇を取ることを提案した。)
miss
He missed being able to say goodbye to his girlfriend.
(彼は彼女に別れを告げられなかった。)
I missed eating Japanese curry.
(日本のカレーが食べたかった。)
気をつけること
今回ご紹介しているのは「「to不定詞」は目的語にならず「動名詞」だけが目的語になる動詞」ですが、この場合の目的語というのはその動詞の直後にくる目的語のことです。
上で挙げた動詞の中にはその直後に普通の名詞の目的語がきて、その後に「to不定詞」がくるものもあるので、それと混同しないようにしましょう。
The doctor advised him to eat a lot of vegetables.
(医者は彼にたくさんの野菜を食べることをアドバイスした。)
まとめ
いかがでしたか。
「メガフェプス」というのは、昔からよく知られている語呂合わせですが、覚えやすいように自分で違う語呂合わせを考えてもいいかもしれませんね。
どんな動詞がどんな目的語をとるか覚えておくと、より正確な英語でのコミュニケーションが可能になりますよ。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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