助動詞+完了形(have+過去分詞)
実際には起きなかったことを表す「should have」「could have」「would have」「might have」
「should have」「could have」「would have」「might have」といったフレーズを見ると、何だか複雑そうで拒否反応を起こしてしまう人もいるかもしれません。でも実は、これらの表現は、日常生活で頻繁に使われている便利で欠かせない言葉なんです。そして、いったん使い方に慣れてしまえばそんなに難しいことはありません。
これらは、「have」の後に動詞の過去分詞が来ます。そして、この「助動詞+have+過去分詞」の形には複数の意味があります。
今回は、「実際には起きなかったこと」を表す「should have」「could have」「would have」「might have」を解説しましょう。
ちなみに各フレーズを短縮した形があり、ネイティブの会話ではもっぱらこの短縮形が使われます。それぞれ「should’ve」「could’ve」「would’ve」「might’ve」となります。発音は「should’ve/ʃúdəv/シュダブ」「could’ve/kʊdəv/クゥダヴ」「would’ve/wúdv/ウゥドゥヴ」「might’ve/mάɪṭəv/マイタヴ」です。
いずれも自分の気持ちを表す時に欠かせない表現方法です。ぜひ覚えて使ってみてください。それでは一つずつ見ていきましょう。
「should have+過去分詞」(〜すればよかったのに)
「should」は「〜すべき」という意味の助動詞ですが、「should have」だと「〜すればよかったのに」「〜すべきだったのに」と言った意味になります。例えば「I should’ve gone.」は「行けばよかった」という意味です。実際には行かなかった場合に使います。
また「should」に「not」をつけた否定形になると「I shouldn’t have gone.」となります。意味は「行かなきゃよかったな」で、実際に行った結果や、行ったことを後悔していることになります。
こういうことはよくあるので、日常生活の会話で使えそうですね。
ちなみに自分のことを言うと「後悔」、他人のことを言う場合は「非難」のような意味になることが多いです。
I should have studied harder.
(私はもっと一生懸命勉強すべきだった。)
You should have done so.
(あなたはそうすべきだったのに。)
「could have+過去分詞」(〜できたのに)(〜であり得たのに)
「could have」には「〜できたのに」や「〜であり得たのに」というような意味になります。
「You could’ve got free tickets.」は「無料のチケットが手に入れられたのに」という意味です。実際には手に入れていません。
「I could’ve helped you.」は、「手伝ってあげたのに」という意味になり、実際には手伝ってあげてはいません。
「could have」は相手を非難するような時にも使えます。「〜できたはずでしょ」といったニュアンスです。
例えば、かなり一生懸命部屋の掃除をしていたら、すでにそこは掃除していたということを知らされた場合などは以下のように表せます。
A:I’ve already cleaned there.
(そこ、もう掃除しているから。)
B:What!? You could’ve told me earlier!
(何だって? もっと早く言ってくれよ!)
次の会話では「should’ve」も使ってみました。
A:You should’ve come to the party.
(パーティに来ればよかったのに。)
B:Yeah… I should’ve gone. I could’ve met someone!
(本当に、行けばよかった。いい人と出会えたかもしれないのに!)
「could」に「not」をつけた「couldn’t have」(〜できなかっただろうに)という否定形もあります。
I couldn’t have done it without you.
(あなたなしではそれをやり遂げることはできませんでした。)
「would have+過去分詞」(〜したのに)
「would have」は「〜したのに」(でも実際はしなかった)という意味です。
If it hadn’t rained, I would’ve gone.
(雨じゃなければ、行ったのに。)
これは「if +過去完了形」と「would have」を使って「過去に起きた事実とは違う話」をする「仮定法過去完了」の典型的な文ですが、学校で習ってどうにも苦手だったという人もいるのではないでしょうか(could have、might haveも使われます)。
しかし、実際日常生活ではこうした表現はよく使います。例えば、皆さんも「今更そんなこと言ってもしょうがないじゃない」というような状況に陥ることってありますよね。
例えば、旅行にでかけたカップルが、男性が寝過ごしたせいで、電車に乗り遅れてしまいます。そんな時、以下のような会話が想像できます。
A:Oh, no! That train had already left.
(ああ!!電車はもう出てしまっている。)
B:We wouldn’t have missed the train if you had gotten up earlier!
(もっと早くあなたが起きていれば、電車を逃すことはなかったのに!)
「might have+過去分詞」(〜してくれてもよかったのに)(一歩間違えば〜だった)
「might have」は過去に行われなかったことに対して、「〜してくれてもよかったのに」、あるいは「一歩間違えば〜だった」ということを述べる時に使います。
You might have waited for me.
(私を待ってくれてもよかったのに。)
He might have killed her.
(一歩間違えば、彼は彼女を殺していたかもしれない。)
なお、次回ご紹介しますが、「might have + 過去分詞」には過去に起きたことを推測・推量する使い方(「〜したのかもしれない」)もあり、どのような意味になるのかは文脈で判断するしかありません。
上の2つの例文も、
You might have waited for me.
(あなたは私を待っていたのかもしれない→もしかしたら私を待っていてくれたんですか)
He might have killed her.
(彼は彼女を殺したのかもしれない。)
という意味になる可能性もあります。詳しくは次回に。
まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介した言い方は、海外のテレビドラマや映画を見ていると、本当によく使われているのがわかります。ぜひ、使いこなして会話の幅を広げてみてくださいね。
なお、次回は、「助動詞+have +過去分詞」のもう一つの大事な意味、「過去に起きたことを推測・推量する使い方」について解説する予定です。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。
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