「味気ない」のさまざまな英語表現
日本語では日常生活でよく使うのに、英語にしようとするととっさに口から出てこない、という言葉がありますよね。
例えば「味気ない」。基本的な意味は「物事に興味が感じられずつまらない」や「面白みや風情がない」などです。「人生が味気ない」というように、「人生」や「生活」を形容する時によく登場します。
では、これを英語にするとどうなると思いますか?
今回は「味気ない」の英語表現について例文を交えて解説したいと思います。
ちなみに「味気ない」には、食べ物や飲み物の味がしない、という意味は含まれていませんよ。
「味気ない」を表す英単語、そのニュアンスの違い
uninteresting
「面白い」「興味深い」の「interesting」の頭に「un」が付いた「uninteresting」。「面白くない」「退屈な」といった意味です。そうしたニュアンスでの「味気ない」を表現できます。
I am leading an uninteresting life.
(私は面白くない人生を送っている。=私は味気ない人生を送っている。)
flat
「flat」は「平らな」「平坦な」という意味。そこから、「生活に変化がない」「退屈な」といった意味でも使われます。そういうニュアンスの「味気ない」です。
His life was flat and emotionless.
(彼の人生は平坦で無感動であった。=彼の人生は味気なく無感動なものだった。)
dull
「退屈な」「おもしろくない」「単調な」という意味の「dull」。これも「味気ない」という意味で使えます。
She thinks her life as an employee is very dull.
(彼女は会社員としての生活を非常に退屈なものだと思っています。=彼女は会社員としての生活を非常に味気ないものだと思っています。)

empty
「空の」「空っぽの」という意味の「empty」には、「生活が虚しい」「無為な」などの意味もあり、そうしたニュアンスでの「味気ない」を表現できます。
Without friends, his life would be empty.
(友がいなかったら、彼の人生は空っぽです。=友のいない人生など、彼には味気ないものでしょう。)
dreary
「dreary」は「つまらない」「退屈な」といった意味です。これも「味気ない」と言いたい時に使うことができます。
My boss’s speech at my wedding was so dreary.
(私の結婚式での上司の演説はとても退屈なものでした。=私の結婚式での上司の演説は味気ないものでした。)
It is a dreary world.
(つまらない世の中だ。=味気ない世の中だ。)
「味気ない」を表す慣用的な表現
次に、「味気ない」という意味を表す慣用的なフレーズを紹介します。
grow weary of life
「grow weary of life」で「人生や生活が味気なくなる」というニュアンスになります。
「grow」は「〜になる」、「weary」は「うんざりして」「飽き飽きして」というような意味です。
Every day is boring. I have grown weary of life.
(毎日がつまらないの。人生が味気ないわ。)
feel one’s life worthless
「feel one’s life worthless」は直訳すると「〜の人生を無価値に感じる」となります。「worthless」は「価値のない」です。
これも「人生や生活を味気なく感じる」という意味合いで使えます。
I feel my life worthless.
(自分の人生や生活が味気ない。 )
lack depth
「lack depth」は直訳すると「深みに欠ける」です。「味気ない」と訳されることも多いです。下の例文中の「lack artistic depth」のように、「lack」と「depth」の間に文脈に沿った形容詞が入ることもあります。
He thinks black-and-white paintings lack artistic depth compared with oil paintings. I don’t think so.
(油絵に比べると墨絵は芸術的に味気ないと彼は思っている。私はそうは思わないけど。)
milk-and-water
直訳すると「牛乳と水」ですが、これは「水で薄めたミルク」という意味で、比喩的に「味気ない」「つまらない」といった意味になります。
His speech about his career was very long, but it was just milk-and-water.
(自分のキャリアについての彼の話はとても長かったが、ただ味気ないものだった。)
matter-of-fact
「matter-of-fact」は、「ただの事実」といった意味です。つまり「味気ない」という意味合いを持っています。
Just between you and me, George is such a matter-of-fact person.
(ここだけの話、ジョージってとても味気ない人なのよ。)
ticky-tacky
「ticky-tacky 」は「画一的な」「単調な」といった意味です。アメリカ英語で住宅などが面白みのないことを表す表現ですが、一般的に「味気ない」という文脈でも使われます。
Although I praised her house, it actually was ticky-tacky.
(彼女の家をほめたものの実際は味気ないものだった。)
まとめ
いかがでしたか。
今回は「味気ない」と言いたい場合のさまざまな英語表現を紹介しました。
自分の気持ちやその場の状況などに合わせて使い分けてみましょう。
複数覚えておくと表現に幅が出ますよ。
byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。