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「一筋縄ではいかない」「引っ込みがつかない」「一肌脱ぐ」を英語で言うと?

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よく聞く慣用表現を英語にしてみよう!

 

日本語にも英語にも、興味深い慣用句的表現がたくさんあります。それぞれどちらも面白いものが多いですが、いざ日本語から英語に、あるいは英語から日本語に訳そうとすると、なかなか難しかったりします。

 

そこで、よく使われる日本語の慣用句的表現を英語にしたい場合はどのように言うのがいいのか、ピックアップしながら解説していきたいと思います。

今回取り上げるのは、「一筋縄ではいかない」「引っ込みがつかない」「一肌脱ぐ」の3つです。

 

では、順に見ていきましょう!

一筋縄ではいかない

まずは「一筋縄ではいかない」です。

これは「簡単ではない」「難しい」といった意味ですね。

 

「簡単ではない」「難しい」の英語表現はいろいろ考えられますが、ここではユニークな2つのフレーズをご紹介しましょう。

be hard to deal with

 

「be hard to+動詞の原形」で「〜しにくい」「〜するのが難しい」「〜するのが困難である」といった意味です。

「deal with ~」は「~を取り扱う」です。

「be hard to deal with」で「〜を取り扱うのは難しい」、つまり、「一筋縄ではいかない」というニュアンスになります。

ビジネスシーンなどでもよく使われます。

 

That negotiation is currently going through difficulties. They are hard to deal with.

(交渉が難航しています。彼らは一筋縄ではいかない相手だ。)

 

The interview was not easy. It was hard to deal with her.

(インタビューが難しったなあ。彼女は一筋縄ではいかない相手だったよ。)

tough nut to crack

直訳すると「割りにくい木の実」という「tough nut to crack」は、英語の慣用表現で、「難問題」「難物」という意味です。

 

What should I do? This problem is a tough nut to crack.

(どうしよう。この問題は一筋縄ではいかない。)

 

He never tells me the truth. He is a really tough nut to crack.

(彼は本当のことを決して話さない。まったく一筋縄ではいかない。)

引っ込みがつかない

「やりかけた以上、やめるわけにはいかない」や「行きがかり上、途中で身を引くわけにはいかない」などの意味の「引っ込みがつかない」も、英語で表現する時にどうすればいいのか迷ってしまいます。

ここでも、以下、表現の例を2つほど挙げます。

can’t back out

「back out」は「手を引く」「放棄する」という意味です。

「〜することができない」という意味の「can’t」を使い、「can’t back out」で「手を引くことができない」「放棄することができない」という意味になります。これを「引っ込みがつかない」というニュアンスで使えます。

 

We decided that we must carry on. We can’t back out now.

(やるしかないと決めたんだ。私たちはもう引っ込みがつかない。)

 

Why did I do such a stupid thing? I couldn’t back out then.

(なんでそんな馬鹿なことをしたのかって? 引っ込みがつかなかったんだよ。)

be left in an awkward spot

「やっかいな」「困った」という「awkward」を使い、「引っ込みがつかない」という表現を作ることができます。

 

「be left in an awkward spot」は、直訳すると「厄介な場所に置き去りにされた」という意味。「厄介な場所に置き去りにされた」というのは、「そこから抜け出せず困った状態にある」ということです。そこでしばしば「引っ込みがつかない」と訳されたりします。

 

We have no choice. We are left in an awkward spot.

(我々には選択の余地はないな。引っ込みがつかないよ。)

 

Just do it! You are left in an awkward spot.

(とにかくやりなさい。引っ込みがつかなくなってるわよ。)

一肌脱ぐ

「一肌脱ぐ」。これもまた、英語にしようとするとすぐには思いつかないかもしれません。

日本語の「一肌脱ぐ」は、「気力をふるいおこして援助する」「助ける」といった意味です。

そこで「助ける」という「help」を使って表してみたいと思います。

help 人 out

「help 人 out」または「help out 人」には「人を手伝う」「手助けする」という意味があります。「help」だけでも「助ける」ですが、「out」をつけることにより、ちょっと気合の入った「一肌脱ぐ」というニュアンスになります。

 

I helped him out.

(あいつのために一肌脱いだ。)

 

This time we have to help her out.

(今回は我々が彼女のために一肌脱がなければならない。)

lend a helping hand

「a helping hand」は「救いの手」という意味です。「lend a helping hand」は、直訳すると「救いの手を貸す」となります。こちらも「help」だけよりもちょっと強調された、「一肌脱ぐ」というニュアンスの表現です。

 

He lent her a helping hand.

(彼は彼女のために一肌脱いだ。)

 

I will lend you a helping hand anytime.

(いつでも一肌脱ぐよ。)

まとめ

いかがでしたか?

よく聞く日本語の慣用句をどのように英語で表現するか。今回は、「一筋縄ではいかない」「引っ込みがつかない」「一肌脱ぐ」の3つを英語にした場合の一例を紹介しました。

 

どのように工夫して英語にすればいいのかを考えることは、英語力の向上につながります。英語と日本語は一対一対応ではありません。皆さんも楽しみながら、自分なりの英語表現を考えてみてください。

byあいんちゅ
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ライターあいんちゅのプロフィール
語学、海外トラベル系の雑誌やムックの企画と編集そして執筆を長年しています。元大学教員。書くことが好きで常に何か考えて、書いていないと落ち着かない性分です。還暦過ぎてからの留学を実現するために日々英語勉強中。

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執筆担当 阿部担当講師  阿部 毅(TOEIC985点)